繊研新聞社主催の「第22回(19年度)ディベロッパー大賞&テナント大賞」の「テナントが選んだディベロッパー大賞」にルクア大阪(JR西日本SC開発)、「ディベロッパーが選んだテナント大賞」に「ザ・ノース・フェイス」(ゴールドウイン)が選ばれた。ルクア大阪は3年連続で5回目、ザ・ノース・フェイスは2年連続の受賞。ディベロッパー大賞の準大賞には、阪急西宮ガーデンズ(阪急阪神ビルマネジメント)、ルミネ新宿(ルミネ)が選ばれた。
【関連記事】第22回ディベロッパー&テナント大賞 部門賞決定
ルクア大阪は18年度(19年3月期)、全館売上高が前年比15.5%増の841億円となり、過去最高を更新した。この高い実績に対し、19年度も上期(4~9月)売上高は期初計画を上回る前年同期比7.9%増と伸ばした。下期は増税や新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いているものの、年間売上高の前年実績超えが視野に入る。年2回の改装効果とともに、開業時から取り組んでいる売り出し計画に基づくPDCA(計画・実行・評価・改善)の積み重ねにより、館の客層ニーズに呼応した適時適品の提案が売り上げを押し上げている。期間限定店「妄想ショップ」や「ショップ体験モニターキャンペーン」など施設の魅力向上施策にも力を入れる。

ザ・ノース・フェイスは、18年度に続き、19年度も高い伸びで、第3四半期(4~12月)までの累計売上高は20%以上の増収となったようだ。特に今期は、アスレチック(競技)用品やアスレカテゴリーのライフスタイル(日常使い)商品が売れたことで、春夏物が秋冬の伸びを上回った。バックパックなどシーズンレスアイテムも人気が上昇。増収を下支えした。一方、高機能商品群「サミットシリーズ」の開発・宣伝も強化。販路は限定していたが、「アスリート目線に立つブランドであるという明快なメッセージを打ち出せた」ため、他ブランドとの差別化につなげた。

ディベロッパー大賞準大賞のルミネ新宿は、18年度(19年3月期)売上高は約492億円で過去最高を更新した。19年度も新型肺炎の影響は受けているとはいえ、2月までの累計売上高は0.5%増、衣料品も0.9%増と健闘している。主に20代後半から30代の女性に向け、ショップと連携して上質・高感度なファッションとライフスタイルをVMD、接客を含めて強化してきたことが実っている。CS(顧客満足)・ES(従業員満足)施策への業界の評価も高い。阪急西宮ガーデンズは、3年連続の準大賞受賞となった。地域の魅力を高めることを狙いに教育関連施設を中心にした18年秋のゲート館の開設による入店客数の増加や19年春の改装効果で、上期(4~9月)売上高は10%増となった。地域と施設のブランディングを重視した取り組みを重ねており、開業以来増収を続けている。