第一織物(福井県坂井市)は同社の生地が1メートルから買える自社ECサイト「ディクロス・オンラインストア」を開設し、10月2日に販売開始した。スワッチを2品番まで無料で対応する。クレジット決済や掛け売りにも対応する。「これまで、商談を躊躇(ちゅうちょ)される小規模アパレルもあったが、気軽に当社の生地を知ってもらいたい」(中川浩孝社長)と裾野の拡大を狙う。
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同社は合繊織物の生地ブランド「ディクロス」を国内外で販売し、欧米有力ブランドに採用されている。国内ではテキスタイル商談会のプレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)に出展するなど新規開拓にも力を入れているが、小ロットニーズの高い小規模ブランドや個人ブランドは本注文の商談につながりづらい場合が多く、ハードルを下げる施策を検討してきた。
オンラインサイトはBtoB(企業間取引)に特化、簡単な審査を経て会員登録してもらう。当面は代表的な売れ筋10品番を掲載し、各品番で全色の見本をつけたスワッチ2点まで無料で提供する。1~10メートルの着分見本、50メートル単位のバルクもオンラインで注文でき、単価はどちらも1メートル900~1200円中心で設定する。
クレジット決済に対応するほか、決済代行サービス経由で掛け売りも可能。これまでPTJなどでつながった先に案内するほか、ウェブ広告も活用して認知を高める。サイト開設に際して外部倉庫を活用し、受注から発送まで連携した自社システムを構築した。
サイトは「ダウンプルーフ」「ナチュラル」「軽量」といった特徴別、1平方メートルが「80グラム以下」「80~120グラム」「120グラム以上」の重さ別、「ジャケット」「コート」「ダウン」「ボトム」といったアイテム別、サブブランド別からそれぞれ探せるようにした。
今後、買い回りデータの分析などを検証し、サービスや品揃えを向上させていく。中期の売り上げ目標は5000万円。