《世界コスプレサミット2018》名古屋・栄コスプレスナップ&運営事務局小栗徳丸さんインタビュー
国内最大のコスプレ祭典「世界コスプレサミット2018」。今年は7月28日~8月5日までの9日間、開催地の愛知県各地で撮影会やパレード、各国代表によるチャンピオンシップなどが行われ、全国からコスプレーヤーが集った。中でも、毎年盛り上がりを見せるのが名古屋・栄のオアシス21で開かれる一般への「コスプレ撮影開放」。漫画、ゲーム、アニメなど様々なキャラクターに扮した一般コスプレイヤーが集結した会場は熱気に包まれた。
(森田雄也)
会場ではコスプレーヤーは女性の比率がやや多く感じられた。友達やコスプレ仲間に声を掛けて、一緒に参加しているようだ。親子で参加したり、娘の参加に親が付いてくるケースもあった。
男性は女性と比べるとコスプレ人口が少ないこともあり、1人での参加者が目立った。コスプレ歴14年、サミット12回目の参加となる「ワンピース」のモブ(群集)キャラクターに扮した愛知県出身の男性は、1人で来ても会場で知り合いに会うこともあって、寂しさは無さそうだった。
年齢を聞くのはご法度。「コスプレーヤーに年齢は聞いちゃ駄目」と怒られたり、雰囲気を悪くしてしまう。「非日常を味わえる」「違う自分になれる」のがだいご味。だから、現実世界に引き戻される質問はNGなようだ。
よく見られたコスプレは「ワンピース」「ナルト」「ファイナルファンタジー」シリーズ、「ラブライブ」「僕のヒーローアカデミア」など。既製品を買う人もいるが、オカダヤ、ユザワヤ、大塚屋などの手芸用品店で材料を買って自作する人も多い。
また、「ユニクロ」「ジーユー」「しまむら」で買った衣類をコスプレ用にリメイクしたり、ホームセンターで造型資材を買って小物を制作する人もいた。
運営事務局の小栗徳丸さんに聞きました ファッション業界と取り組みたい
03年に始めた世界コスプレサミットは今年で16回目になりました。1回目はフランス、イタリア、ドイツ、日本だけだった参加国は、今年で38カ国・地域にまで増え、今や世界最大のコスプレイベントに成長しました。この数年は毎年5~10カ国が新しく参加しています。 コスプレサミットには、〝コスプレサミットイズム〟という根本原則があります。それは①常に進化するポップカルチャーの祭典②世界平和への架け橋③クリエイターへの敬意と文化発展に対する貢献です。
国境、文化超えて38ヵ国に
会話しなくても分かり、文化を超えて親密になれる。見て通じる、言わば〝アイコンテキスト〟。それがコスプレです。フェイスブックの公式アカウントには66万人のフォロワーがいて、9割以上が外国人です。
今は実行委員会で運営し、外務省や愛知県、名古屋市などが主催に名を連ねます。コスプレが国際交流を進める意義のあるものと認めてもらえているのだと思っています。課題は収支。エアアジアやスピアヘッドなど約30社の協賛で運営していますが、毎回赤字です。13年からは40人くらいの学生がボランティアで運営をサポートしてくれていますが、それでも厳しい。参加国が増えると運営費など経費がかさんでしまいます。グッズの物販もしていますが、まだ売り上げとしては小さい。
コスプレはファッション業界と相性が良いと思います。何か取り組みが出来ないか、今後模索していきたいですね。
(繊研新聞本紙9月7日付)