クールジャパン機構、「45R」と海外で小売事業

2017/03/09 15:21 更新


 官民ファンドのクールジャパン機構は、「45R」(フォーティファイブ・アール)を手掛けるフォーティファイブアールピーエムスタジオ(45rpm)との協業により、欧米をはじめとする海外市場で小売事業に乗り出す。

 同機構が最大8億2000万円を出資し、「和」の魅力を世界に伝える日本発ファッションブランドのモデル作りを支援する。ファッション分野への出資は初めて。

 事業スキームは45rpmの海外事業を切り出す形で共同出資会社を新設。4月末までに増資し、45rpmが51%、クールジャパン機構が49%出資する。

 45Rは高品質の自然素材や日本の藍染め・インディゴ染めの技術を使ったテキスタイル、柔らかな風合いや着心地を生み出す縫製や加工に定評があるメイド・イン・ジャパンに徹したブランドとして顧客の支持を集めている。

 クールジャパン機構の太田伸之社長は「世界で戦える日本のファッショはクリエイター系、ストリート系メンズカジュアル、ナチュラル系大人服の三つ」と45Rに着目。高品質のナチュラル服として、欧米のハイエンド市場で定着していることが出資の決め手となった。さらに同ブランドを支える日本のもの作りを通じて、素材や縫製・加工など中小事業者の海外進出の足がかりとなる機会を創出する。

 45Rは2000年に初の海外進出となるニューヨーク店をオープン。米国はニューヨークのほか、サンフランシスコ、ハワイ、欧州はパリの3店の計6の直営店を運営。アジアは中国、シンガポール、香港、台湾で10店をFC展開する。

 共同事業では海外で影響力が強い欧米市場で、今後3年間で計7の直営店を出す。45rpmの海外売上高は17年度20億8000万円から20年度50億円への拡大を計画している。45rpmは海外小売事業について「これまで自力で地道にやってきたが、今後は日の丸を背負う自覚を持ってやっていきたい」(高橋慎志社長)と話している。

クールジャパン1
共同で新会社を立ち上げる、クールジャパン機構の太田社長(左から2人目)とフォーティファイブアールピーエムスタジオの高橋社長(左から3人目)


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事