長崎市のメンズ・レディスのセレクトショップ、コールベックは8月、創業40周年を迎えた。宅島良一専務は「立ち上げからの20年と、その後の20年は大きく環境や消費者の価値観が変化した」と、時流に対応しながら客の満足度アップや期待に応え続けている。一方で、専門店としての強みである「人、物、器」はブレずに注力し、地元での存在感を発揮している。
多様な立地で客に対応
長崎市内で直営店のセレクト「コールベック」3店と、「ビームス」「イルビゾンテ」「ポール・スミス」「マーガレットハウエル」「マリメッコ」などFC7店、花屋を運営している。立ち上げ時のセレクト市場のメインは路面店だったが、その後は00年のアミュプラザ長崎やゆめタウン夢彩都、08年のみらい長崎ココウォークと、大型商業施設の開業で環境が大きく変わった。さらにネット販売の台頭など、「購買の選択肢が増えた」と振り返る。
そこで、路面店に加えて新たに出来た大型施設や浜町商店街のハマクロス411へのFC出店を行い、立地によってブランド構成や価格帯などを変え、買い回り客への対応や新規客獲得につなげている。中心客層は30～50代。スポーツやアウトドアテイストなど、同社ならではの視点で時流に合う品揃えへとブラッシュアップし、「提案する商品への満足度や期待が高い」ことでファンを増やしている。
見て感じた光るものを
バイイングは「展示会の中で光るものを探して来い」というのが教え。最近はメーカーから「面白い、良いブランドある」と情報を得ることが多く、展示会で確認する。仕入れはメーカーのお勧めではなく、「このブランドのこのシャツ」など、見て感じた商品をピックアップし、自信を持って客に提案している。もともと「メーカーと組んで、コールベックらしいブランドを揃える」ことで、無名でも育てていきたいとの思いが強い。
品揃えはメンズとレディスともそれぞれ40～50ブランド。メンズは「カラー」「オールデン」「カナダグース」「テアトラ」「AKM」など、レディスは「ハイク」「モンクレール」などが軸となっているが、仕入れは各店長とバイヤーに任せているため、揃えるアイテムは異なる。販売する人が売りたいものを揃えることで、「熱量や責任感が違う」からだ。販売では、「来店しても買い上げゼロもあるが、ゼロを1にすることを大事にしている」という。
