「コート」19~20年秋冬 「時を経た」織物、柄、コケ

2019/05/24 06:26 更新


 レディスブランド「コート」(福屋千春)の19~20年秋冬は、「時を経たもの」をキーワードにしたコレクション。それは伝統的な織物や柄だったり、歴史ある宗教の厳かな祭服のイメージ、また、はびこったコケを思わせる表情のツイードだったりする。アイテム構成は毎シーズンそれほど変わらないが、今回はぐっとクラシック。そこにディテールとシルエットでひねりを利かせる。

 赤のウールヘリンボーンのダブルブレストテーラードコートは、生地の質感が上品。それを崩して着るようなオーバーサイズのシルエットにして、スリーブタブとウエストベルトはPVC(ポリ塩化ビニル)を使った。

 ペーズリーのシルクの織物で作ったのは、ショールカラーのロングコートとコンビネゾン。この織物はイタリアのメーカーと、柄のバランスなどをやり直しながら苦労して作ったという。コートはガウンのような形、コンビネゾンは開襟からフロントのラインなどをパイピングした、ちょっとパジャマを思わせるディテールだ。どちらも強く、ダークな雰囲気のある仕上がりで、どんなシーンで着るのかはっきりさせていないようなところが目を引きつける。

 ダマスク柄のワンサイドスリットのフルレングス、ラップ風に前が重なるタイプなど、スカートはアシンメトリーデザイン。パンツはハイウエストで、膝下フレアなど。モスグリーンの糸が飛び出しているツイードのノーカラーコート、肩を強調した形のモスグリーンストライプのラガーシャツもある。

ペーズリーのコンビネゾン9万8000円


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