レディスブランド「コート」(福屋千春)の17~18年秋冬は、素朴で粗野な風合いのメンズ向けガンクラブチェックから広がったイメージを形にした。トラッドとグラムロックを掛け合わせたというコレクションは、曲線やボリュームの取り方、メタルパーツの使い方に強さや激しさを感じる。全体にレトロっぽさもあって、それは色や形というより、雰囲気がどこか60、70年代のような感じ。
ぜひ使いたかったというガンクラブチェックは、メンズのオーソドックスなラップコートのような形のコートにした。袖が肘の上まで大きく開き、袖口の大きなアイレットに共布を通して結ぶ。同じ生地でやはり裾が開くワイドパンツ、膝下丈の懐かしい雰囲気のフレアスカートがある。
これまでも袖に特徴のあるアイテムを作ってきたが、デザイナーの福屋は今回は袖から襟に気持ちが移ったという。新しいのは、肩から首をすっぽり隠すように立ち上がった大きなスタンドカラーのドレスやブルゾン、肩下まで覆うようなラウンドカラーのベルテッドコートなど。
センシュアルな空気感も魅力だ。前と後ろの中心を割ったように開いて着る大きなセーラーカラーのブラウス、きらっと光る糸が入った透けるストライプのボリュームブラウスなどがある。
セレクトショップに卸しており、売り先が広がってきている。
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コート13万5000円、パンツ6万4000円