服地コンバーター、服地と雑貨融合企画

2016/02/24 08:44 更新


 服地と雑貨・クラフト素材を手掛ける服地コンバーターで、両分野にまたがる企画が増えてきた。用途や市場別に分かれていた企画チームを部分的に融合し、対象を限定せず新しいテキスタイルを提案する。互いの市場特性やノウハウを共有して、差別化素材を求めるアパレルのニーズに応える。

 北高は16年度、「ボーダレス」を全社テーマに掲げる。製品でユニセックスのトレンドがあること、雑貨・クラフト向けテキスタイルがナチュラル系やキッズのアパレルで採用されるケースが増えていることが背景だ。同社では、企画段階からボーダレスな取り組みを進める。

 販売面では市場別に編成しているが、素材の企画チームは流動的な体制をとる。雑貨・クラフト向けの企画チームのうち、2割が服地チームとの兼任。社内連携を深め、横断的な企画を推奨する。自社展示会でも、雑貨・クラフト向けテキスタイルを子供服や婦人服に仕立てて提案。華やかな色や 個性的なプリントが、服地としても好評だ。

 コッカは、服地と雑貨・クラフトの企画を一体化したテキスタイル「オリアム」を始めた。社内の若手企画者がプロジェクトを組み、互いのノウハウや生産背景を共有する。16~17年秋冬向けから、新潟のよろけ織りや希少なマーブル染色など、産地の技術や日本伝統の意匠を重視した4マークを発表した。ターゲットは、服地と雑貨・クラフトの両市場だ。

 同社はこれまでも、外部デザイナーとの協業などで、デザインや生産背景にこだわった素材を展開し、市場を問わない企画・提案を進めてきた。今回改めてプロジェクトを組み、まとまった企画として提案を強化する。16~17年秋冬の反応を見つつ、プロジェクトを継続する。

 切り売り中心の雑貨・クラフト市場は、テキスタイルそのものが主役となるため、個性が強いデザインが多い。両社とも、綿プリントを軸に、企画力を培ってきた。服地では欧州素材展に出展するなど、品種拡大や上質化を進めてきた。アパレル市場で差別化素材へのニーズが高まる今、服地と雑貨・クラフト、両方の企画ノウハウを活用した新しい素材が新鮮だ。

北高は展示会で、雑貨・クラフト向けのテキスタイルを子供服に仕立てて提案する



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