【パリ=松井孝予通信員】シャネルの23年決算は、売上高が前年比15%増の197億ドル、純利益は47億ドルで3年連続増収増益となった。
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レザーグッズ、ビューティーをはじめ全カテゴリーで2ケタの成長だった。利益率の高いレザーグッズは価格を引き上げ収益増に貢献した。総売上高の59%を占めるアジア市場は18%増の84億ドル、同様の成長率の欧州は47億ドル、一方米国は3%増にとどまり39億ドル。
広告費は22億ユーロ(前年比20%増)を投資し、今年はさらに投資を継続する姿勢を示した。
コロナ禍の沈静化からダイナミックな成長をみせたラグジュアリー産業だが、世界的インフレや地政学的問題を背景に停滞期に入った。ヴィルジニー・ヴィアールの後任となるアーティスティックディレクターの発表が待たれるが、市場関係者の間では、シャネルが成長を維持する上で、デザイナー交代でZ世代を狙う好機という見方が多い。