「セリーヌ」は21年夏コレクションをモナコの競技場スタッド・ルイ・ドゥで披露した。無人の競技場のランニングコースを距離を取って歩くモデルたち。芝生の中心にはセリーヌのロゴが描かれている。
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新作はスポーティーでヘルシーなイメージを強調した。スウェットパンツにチューブトップ、ミドリフ丈のセーター、ランニングショーツにキャップといったアクティブなアイテムが充実している。Gジャンの袖をカットしたベストやデニムのショートパンツなどのリアルスタイルと、きらびやかなスパンコールドレスという振れ幅。
ただし、きらびやかなドレスにもネルシャツを重ねてグランジの気分をプラスする。スカーフに描かれるようなチェーンを重ねた柄とカムフラージュ柄が新鮮。
フランスのトラディショナルなBCBGスタイルを背景にしながらも、現在の世界を反映して健康的な雰囲気を加えている。セリーヌらしからぬコーチジャケットやアノラックなどの軽快なアイテムも興味深い。
フィナーレはスタジアムの天井が次々と閉じられていく映像。その動きが、エディ・スリマンのショーでは恒例のセットが動く演出と重なってほほえましい。
(小笠原拓郎、写真はブランド提供)