アンティローザ(東京)のメンズ中心のDtoC(メーカー直販)ブランド「キャスパージョン」は、ゾゾタウンを主要販路に急成長を続けている。ECの責任者はブランドディレクターの右田拓也さんが兼任している。東京、大阪にある3店の販売員の発信力や動画編集技術などを高め、SNSからECへ送客する仕組みを作り上げた。
――どうECを伸ばしたか。
数年前、インフルエンサーを使ったPRが飽和状態だと感じました。その時、商品を一番知っていて、一番上手に説明できるのは販売員だと考えたんです。ちょうど、コロナで店が開けられず時間もあった。SNSではやっている見せ方や動画編集技術を全員で研究し、各販売員個人のアカウントでの発信を強化しました。ライブ配信も始め、とにかく商品の魅力の周知に努めたんです。
すると、EC売り上げが飛躍的に伸びました。今では売り上げのEC化率は約8割。売上高自体も順調に伸びています。15人の販売員のSNSの総フォロワー数は30万を超えました。
――自社ECよりゾゾタウンで売れている。
顧客は単純にゾゾタウンの方が送料も安く、便利だと考えて、そちらで購入しているようです。キャスパージョンのブランドチームは少数精鋭。ECの付帯業務をアウトソーシングできるゾゾタウンで売れる方が助かります。
――店舗にも好影響が。
顧客はSNSで販売員の顔やキャラを知っていて、ファンになってくれています。会いに来る感覚で来店するので、接客もしやすい。動画編集などクリエイティブな技能も身につき、やりがいもあるので離職率も非常に低いです。EC売り上げ増大以外のメリットも大きかったです。