経済産業省、外務省、財務省は日本とインドネシアのEPA(経済連携協定)で、23年6月中をめどに両国の原産地証明書(CO)の受け渡しを電子データ化すると発表した。日本がCOの電子データ化に取り組むのは初めて。手続きの簡素化と迅速化で、EPAの利用拡大を促す。日本のCOの発給機関である日本商工会議所(日商)とインドネシアの税関との間で、COのデータを交換する。これにより、日本からの輸出者はCOの窓口での紙原本の受け取りや輸入者への紙原本の郵送が不要となり、日商にCOの電子発給申請をし、承認を受けるだけで、COの受け渡しができるようになる。
現在、COは原則的に輸出国の発給機関などから紙原本で輸出者に発給され、輸入者に郵送した後、さらに輸入者から輸入国税関に紙原本を提出している。こうした手続きを簡素化し、事業者の利便性を高めるため、日本・タイのEPAとRCEP(地域的な包括的経済連携)協定で相手国との協議を通じてCOのPDF発給を導入し、「他の協定についても、PDF発給に切り替えるため、協議中」(経産省)という。
COのデータ交換は「さらに利便性を向上させる」目的で、日本政府は21年から、インドネシア、タイ、ASEAN(東南アジア諸国連合)と導入に向けた協議をしてきた。