繊研新聞社が主催する18年度百貨店バイヤーズ賞のベストセラー大賞が決まった。
百貨店のバイヤーの推薦の数が最も多かったブランドを選定した結果、レディスはフィールズインターナショナルの「インディヴィ」、メンズはオンワード樫山の「ジョセフ・アブード」に決まった。両ブランドとも初受賞。厳しい市況のなかで堅実に売り上げ、推薦数で多数を確保した。
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インディヴィは働く女性の増加に伴う通勤服ニーズを手堅くつかみ、増収につなげた。実需対応の強化でプロパー販売を伸ばしている。セットアップのほか、毎シーズン改良を重ねるパンツやコートといったベーシックアイテム、ウォッシャブルジャケットなど単品の強さも光った。
ワンピースやスカートのデザインを見直し、汎用性やシルエットなどを修正したことも実って販売を伸ばした。18年夏で投入数量を拡大して実需対応を強化、セット率を向上するなど店頭での客単価アップとプロパー販売に貢献した。
ジョセフ・アブードは企画内容を刷新したここ数年、売り上げが復調している。良質な素材にこだわり、糸からオリジナルで開発したオーガニックコットンのシリーズなど上質化した大人のカジュアルスタイルで成果を上げた。
洋服だけでなく、オリジナル柄によるラグやインテリア雑貨などライフスタイル提案も好評だった。従来よりも若い新規顧客の獲得にも成功した。同ブランドは米国で誕生し、17年に30周年を迎えた。日本では大人の男性向けカジュアルウェアとして定着。10年以上前には襟変化のあるポロシャツがヒットし、カジュアル部門でも選ばれていた。
《平成賞》
百貨店バイヤーズ賞は、平成から新元号への変遷を機に「平成賞」を設けた。平成を象徴しながら輝き続けるブランドを決めた。バイヤーや販売担当者からの評価を集計、本紙記者の取材情報を加えて選考事務局で審査し、レディス5ブランド、メンズ3ブランドに決定した。