《私のビジネス日記帳》マネジメントの基盤 ブルーミング中西社長 中西一

2025/04/09 06:26 更新


 大学を卒業して大手都市銀行に就職、ちょうどバブル経済が崩壊し不良債権という言葉が毎日紙面を騒がせていた時代でした。銀行にとっても企業にとっても厳しい時代で、大手証券会社が倒産、監督官庁であった大蔵省が解体され金融監督庁が新設される激動の時代でした。

 不良債権処理に伴い銀行にも公的資金が注入され、監督官庁から厳しい指導を受けることになりました。支店の目標がなくなり業務が監督庁検査への対応一色になるという、今考えると社会の構図を知る良い機会と思える出来事も経験できましたが、当時は朝から晩まで支店業務内容の再チェック、書類不備の整備などフラストレーションがたまる業務に追われました。毎晩、同僚と仕事終わりに酒を飲んで愚痴を言い合っていたのを思い出します。その後、金融再編で私の所属している銀行も三行統合を発表、これを機に家業へ戻ることを決意しました。

 思い返してみると、この銀行員生活がその後の私のマネジメントの基盤になる良い時間となりました。苦しいことも多々ありましたが、多くの中小企業経営者との対話の機会を得て、中小企業の決算を読み解く経験を通じ、資金と事業の関係性を学ぶことができました。また陰ながらサポートしてくれた営業課長や、厳しい指導と温かい思いやりを示して下さった支店長など、良き同僚に恵まれました。

(ブルーミング中西社長 中西一)

 「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

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