メンズとレディスの「ブライアン・ヘラー」は、東京発の新進ブランド。抑制の利いたクリーンな雰囲気のなかに、軽やかな遊び心を垣間見ることができるデザインが特徴だ。カジュアルはエレガントに、エレガンスはストリートの表情を併せ持つ。コンセプトは「概念を変える」。国内デザイナーブランドで経験を積んだ近松侑典が手掛けている。
18~19年秋冬で目を引くのはモッズコート。定番のミリタリーアイテムだが、軍もののタフなムードよりもシックに見える。ポイントは光沢。100%コットンのツイルに巨大なアイロンでプレスするプレーティング加工を施して、つるつるとした光沢を表現した。
ポケットや切り替えはそぎ落としてシンプルに。背中のインバーテッドプリーツを広げると、羽を広げたようなシルエットになり可動域が広がる。


ストリート風のカジュアルアイテムも表情がエレガント。カジュアルなTシャツはしゃりっとした質感、ジャージーはつるりとしたナイロン混。スポーティなジャージーのセットアップは、プルオーバーをVネックに、パンツをセンタープリーツにして都会的にした。
モードっぽいアイテムもある。レディスはハイネックのAラインドレス。ウエストの小さな二つの穴をシルバーのカラビナで留めると、ゆるやかなドレープが生まれる。カラビナをベルトループにしたり、カラビナを連ねたチェーン柄のシャツを作ったりと、ブランドのシグネチャーとしてさまざまな部分に取り入れ得ている。
エントリー価格はドレス4万2000円、コート6万8000円、ブルゾン3万8500円、スエットシャツ1万4500円、シャツ2万2000円、パンツ3万1500円、デニム2万2800円、Tシャツ9800円。デザイン段階で「これなら欲しい」と思える価格を設定してサンプルを作っており、商品の見た目に比べると値頃感がある。
ブランド名は「偏見なしにデザインだけを見てほしい」という思いから、どこの国のブランドか分からないようにしたという。


