ニッセン「ブランデリ」 類似画像レコメンド機能導入

2019/12/25 06:29 更新


 通販のニッセンが運営するアウトレットファッションのEC「ブランデリ」は、ニューロープ(東京、酒井聡代表)のAI(人工知能)サービスで、類似商品の自動レコメンドやプライシング(価格設定)を行っている。

(藤川友樹)

 ブランデリは常時3万点以上の商品を掲載しており、平日は1日あたり約300点、月間6000~8000点の新商品を投入している。月間のセッション数は120万、PV(ページビュー)数は1000万、掲載ブランドは350を超える。一方でECチームは少人数で運営しており、アウトレットECの特性上、品番数は相当多い。そのため「商品ページの作り込みや価格設定を人の手だけで行うには限界があった」(木室嘉之ニッセンセールス本部サイト開発部ブランデリチームマネージャー)という。

 そこでニューロープのファッションAIサービス「カブキスキャナー」の「類似画像プラグイン」を導入した。AIが商品ページを画像解析して、類似した商品を自動でレコメンドする機能。たとえばコーディネート画像を掲載すると、パンツ、トップ、アウターなど各アイテムや色柄ごとに、類似する商品を一覧で表示できる。ユーザーにとっては比較購買がしやすくなり、ブランデリにとっては多くの品番のなかで埋もれることもあった商品を掘り起こすことができる。類似画像経由売り上げが一定あり、効果を実感したため、今秋からはブランドから買い取った商品のプライシングにもAIを活用している。

 商品画像から最適な価格を推定するもので、AIがデータを学習することで実現した。データは今年6~10月に商品ページに掲載した約3万点を、ブランド名や商品名、サイズ、カラー、素材などのタグを付けて収集し、商品投入後からどれくらいの期間で、どの価格で何が売れたのかといった過去実績を学習させた。これまでプライシングはブランドの過去実績やカテゴリーを意識しつつも「肌感になっていた部分もあった」ことを解消した。成果が出るのは「まだこれから」とするが、プライシングにかける時間は大幅に削減できている。

 ニューロープはファッションに特化したAIを開発するスタートアップ企業で、ディノス・セシールやルミネ、アダストリアなど大手のECのサービス導入実績がある。今秋には第三者割当増資で1億円を資金調達しており、需要予測やトレンド分析などのソリューション構築とエンジニア人材の確保に投資する考えだ。

プライシング(価格設定)までの流れ


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