今春デビューした「ビソウン」は、ベーシックアイテムを軸に、そぎ落としたカットでフォルムを作るユニセックスウェア。すっきりとした輪郭で着る人の個性が際立つワードローブを揃えている。テーラーリングの要素も特徴だ。
デザイナーは、都内のセレクトショップで販売、バイヤー、ディレクターの経験を積んだ中出由佳。縁あって、テキスタイルコンバーターの協力を得てブランドを立ち上げることになった。国内産地の特色を生かしてオリジナル素材を作り、男女が共有できるメンズ仕立てのアイテム、女性の体を美しく見せるアイテムなど、バランスの取れたラインナップを構築する。
レイヤードスタイルを艶っぽく見せるのは、富士吉田産地で作った透け感のあるトラッドチェックのアイテム。シルクのオーガンディをベースに、コットン、キュプラを交織してチェックの陰影を出す。メンズサイズのシャツは黒地を使ってさりげなくエレガントに。ウィメンズはシャツ仕立てのギャザードレスを白地で仕立て、フェミニンな魅力を表現した。
「昔からメンズのアイテムが好き」という中出。今回はテーラードアイテム用に、スーツ地に定評のある尾州の機屋でウール・シルクの薄手生地作った。男性がジャストサイズで着られるオープンカラーシャツ、ウィメンズ用の一枚仕立てのノーカラージャケット、スラックス風のミニスカートをレイヤードしたロングスカートなどを作った。ウエストのシェイプラインやシンプルな線の重なりをアクセントにして、大人の女性らしい雰囲気を表現した。