ビームスは9月14日、レディスカジュアルの旗艦店「ビームス・ウィメン」を原宿にオープンする。10月下旬にはハイファッションをコンセプトにした新店を六本木ヒルズに出す。ここ数年、カジュアル、ドレス、カルチャーなど、商品のジャンルごとに象徴的な存在となる旗艦店の開設やリニューアルを行ってきた。原宿と六本木の新店は「次世代の旗艦店」と位置づけ、これまでとは違う切り口で品揃えし、新たな客層の開拓を狙う。
(柏木均之)
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服好き向けの原宿
原宿の明治通り沿いには、メンズカジュアルの「ビームス原宿」「ビームスプラス」、レディスカジュアルの「レイビームス」「ビームスボーイ」、メンズドレスの「ビームスF」、トレンド商品の「インターナショナルギャラリービームス」とビームスの旗艦店が軒を連ねる。
各レーベルは時代やトレンドの変化に合わせて開発してきた。現在SCのテナント店舗は、これらのレーベルを立地に応じて組み合わせた品揃えで出店しており、その数はすでに150を超える。SC店舗が増えたことでレーベルの「顔」である旗艦店は、これまでとは違う役割を果たす必要があった。
ビームス原宿は14年からシーズンテーマに沿って半期ごとに売り場の改装を実施し、物販以外の各種イベントも定期開催する、メンズカジュアルの旬を来店客が体感できる店にした。16年には新宿の「ビームスジャパン」をファッション以外に日本の名品も扱う旗艦店としてリニューアルオープンした。
原宿にビームス・ウィメンを出すのは、15年の渋谷に次ぐ。現在のレイビームスを閉店し、インターナショナルギャラリーの地下1階にウィメンの店を移す。レイビームスのほかギャラリーで扱っていた仕入れ商品も置き「ファッション好きに響く濃い店に作り変える」(設楽洋社長)。
六本木で〝モテ服〟
一方、10月オープンの六本木ヒルズ店は「次の時代のビームスの総合店」だ。近隣のミッドタウンにドレスの「ビームスハウス」があるが、ヒルズ店はあえて「ハイファッション、ハイカジュアル」として、これまで扱ったことのないブランドや価格帯が上の商品も品揃えする。
2~3階の2フロアで、売り場面積は610平方メートル。メンズとレディスの比率が半々で、仕入れ商品が約4割。六本木店だけの別注やオリジナル商品も秋冬は80品番用意する。上質素材のルームウェアなども売る。
原宿の店で人気の別注スニーカーなど、カジュアル商品も売るが、周辺の客層に合わせ、大人が楽しめるファッションの店にする。中村達也クリエイティブディレクターは「ビームスはコンサバのイメージが強いが、『モテ』を意識していないわけではない。艶っぽい提案もできるビームスを見せたい」と言う。