英国の老舗「バブアー」と池内啓太と森美穂子がデザインする日本の「アンドワンダー」という二つのアウトドアブランドの協業によるメンズコレクションを11月末、世界同時発売する。これまで日本限定で協業商品を販売していたが、今回は初のグローバルコレクションで、英国と日本のそれぞれの直営店をはじめ、世界150店で販売。アウターからインナー、バッグや帽子まで12型が揃う。
キーアイテムは1980年にバブアーが発売したワックスコットンの乗馬ジャケット「ビデイル」をベースにしたアウターで、防水通気性に優れた軽量のアウトドアファブリックのパーテックスを3層構造にした。丸みのある蛇腹ポケットやストームフライフロント、スロートフラップ、マイクロファイバーに置き換えたコーデュロイの襟はそのままに、アンドワンダーのアイコンであるリフレクターファスナーポケットでアクセントをつけた。袖口も細かいドット柄のリフレクターで切り替え、着脱可能なフードも付く。10万4000円。
ロングジャケットはリップストップファブリックを使用し、ポーラテックのフリースライナーが付く。スロートフラップのリベットの裏側をあえて襟の表に出すバブアーの伝統ディテールから派生したフロントにリベットの裏側がついた軽量ジャケットや、トリミングでアクセントをつけたフリースジャケットはお揃いのパンツも。バックパック、三つのポケットが並ぶウエストバッグ、ショルダーポーチは、バブアーのロゴ入りボタンとリフレクティブプリントによるアンドワンダーのロゴが付いたシンプルなデザイン。リフレクターステッチで変化を出している。ロングジャケット15万2000円、フリースジャケット4万5000円、バックパック2万4000円など。
「コロナ下のスタートで、オンラインミーティングで企画を進めたが、ディテールや機能性、着心地などあらゆることに細心の注意を払った日本の物作りとバブアーの伝統がうまく融合した商品ができた」とバブアーのメンズウェアディレクターのイアン・バージン。シグネチャーであるワックスコットンをあえて使わないコレクションに対しては「人々はより軽いものを求めている。協業は共に学ぶ機会であり、ハイテク素材の使用にとても満足している」と語る。
(ロンドン=若月美奈通信員)