「バルムング」は20~21年秋冬、アシンメトリーなディテールや表面変化に富んだ素材を交え、ピュアで包み込むようなフォルムのレイヤードスタイルを見せた。テーマは「タイム」。20年春夏シーズンの続編で、デザイナーのハチの記憶や体験を元に過去にさかのぼった。人間や個から離れて、地球や宇宙など壮大なスケールの時間軸の中で、過去と現在、未来が交錯するイメージで組み立てた。
ハイネックの長袖Tシャツは、寄せて固まる石や溶岩のように燃える花など、自然が形成する過程をグラフィックプリントで描いた。直線でカットした複数のニット生地を重ねたジャージートップは、体のラインにフィットして有機的なムード。その上に柔らかさを帯びたボリュームシルエットのアウターを合わせる。
塩縮加工を施した灰色のスポーティーなブルゾン、黒のキルティングのコートなど合繊のテキスタイルは、水や光、鉱物といった生成物のテクスチャーからイメージして、フューチャリスティックな印象にした。
ジュエリーデザイナーと協業したアクセサリーもある。ゴールドの針金のようなモチーフに水晶を付けたネックレスやバングル、小枝のように節くれ立った純銀のチョーカーなど、無垢(むく)で生命力を感じさせるデザインに仕上げている。