「バレンシアガ」はこのほど、21年ウィンターコレクションをデジタル配信した。全58ルックの画像は、モデルたちが世界の観光名所を背景に新作をまとったもの。エッフェル塔、タージ・マハル、ストーンヘンジ、世界遺産の前でポーズをとるモデルたち、その画像は空白の背景で撮った写真を加工して作る。再開を待ち望む世界旅行への憧れを投影したものだ。
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新作も、バレンシアガらしいストリートのリアルを感じさせる。Gジャンとジーンズをつなげてデニムドレスにしたもの、ジャージートップとあせたデニムパンツなど、ユーズド感のあるアイテムを再構築したイメージも取り入れている。ボリュームたっぷりのフーディーやカムフラージュのフリースジャケットなどゆったりしたシルエットはジェンダーフリーを感じさせる。
たっぷりのギャザーのプリントドレスや極端に大きなショルダーのドレスは、デムナ・ヴァザリアらしいウィットに富んだデザイン。へアリーなフェイクファードレスのラグジュアリーを強調し、トラックスーツでリアルな快適さを見せる。無地とプリント生地の90.6%がサステイナブル(持続可能な)認証を受けているという。フーディーやTシャツにはカレッジTイメージのプリントやゲイプラウドを祝うアートワークをのせた。
(小笠原拓郎)