【何の値?】2400円―高い安い?

2016/07/10 10:47 更新


 「2400円」。 この数字が表すのは、何だろう――?  

疑問考える女性    

 答えは、日本で売れている衣料品一枚当たりの価格の平均――です。

 2014年度の値で、正確には2405円でした。

衣料品平均購入単価グラフ    

 グラフ(上)の通り、2008年のリーマンショック以降、下がり続けていたのですが、2011年を底に再び上昇基調です。2013年から2014年に至っては、10%も伸びました。   イメージより高かった?安かった?

 ここからどんなことが読み取れるでしょうか?   安いだけでは消費者は買わない!と気付いた企業が再び、値段を上げ始めた、ということです。  

 

 平均単価が下がって上がった背景とは

  リーマンショックによる景気低迷で、日本で一大勢力となったのはグローバル展開する大手ファッション小売業です。H&Mやザラ、フォーエバー21の店が全国的に増え出したのはこの時期です。こうした海外企業に加え、ユニクロ、しまむらも台頭しました。  

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(写真=Milos Vucicevic / Shutterstock.com)

  こうした“バリュー”をウリにする企業に対抗して、日本のアパレルメーカー全体が、商品価格を引き下げました。それが2008~2011年で、平均単価は2138円まで下がりました。その後、安さに飽きた消費者が、ただ安いだけでは買わなくなり、価値に見合う商品を作り、再び価格を上げ始めた――のが今です。

  また、上昇基調になったもう一つの大きな要因に、為替が円安に転じて、原価が20~30%のレベルで割高になったことも添えておきます。    

 

接客ワンポイント

消費者が買う衣料品の平均単価は上がり基調。安いにこしたことはないですが、安さだけでは買ってくれません。

むしろ多少高くても、その意味を理解してもらえるかどうか、が購買を左右します。



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