「2400円」。 この数字が表すのは、何だろう――?
答えは、日本で売れている衣料品一枚当たりの価格の平均――です。
2014年度の値で、正確には2405円でした。
グラフ(上)の通り、2008年のリーマンショック以降、下がり続けていたのですが、2011年を底に再び上昇基調です。2013年から2014年に至っては、10%も伸びました。 イメージより高かった?安かった?
ここからどんなことが読み取れるでしょうか? 安いだけでは消費者は買わない!と気付いた企業が再び、値段を上げ始めた、ということです。
平均単価が下がって上がった背景とは
リーマンショックによる景気低迷で、日本で一大勢力となったのはグローバル展開する大手ファッション小売業です。H&Mやザラ、フォーエバー21の店が全国的に増え出したのはこの時期です。こうした海外企業に加え、ユニクロ、しまむらも台頭しました。
こうした“バリュー”をウリにする企業に対抗して、日本のアパレルメーカー全体が、商品価格を引き下げました。それが2008~2011年で、平均単価は2138円まで下がりました。その後、安さに飽きた消費者が、ただ安いだけでは買わなくなり、価値に見合う商品を作り、再び価格を上げ始めた――のが今です。
また、上昇基調になったもう一つの大きな要因に、為替が円安に転じて、原価が20~30%のレベルで割高になったことも添えておきます。
接客ワンポイント
消費者が買う衣料品の平均単価は上がり基調。安いにこしたことはないですが、安さだけでは買ってくれません。
むしろ多少高くても、その意味を理解してもらえるかどうか、が購買を左右します。