アトレ、台湾で海外初のSC事業 来年10月1号店

2017/08/08 15:40 更新


 アトレと三井物産、台湾の長僑投資開発(台北市、ブリーズ)は台湾でSC事業と駅などでの商業施設開発・運営を共同で開始する。アトレと三井物産が7月に設立した海外でのSC事業統括会社、アトレインターナショナル(AICO、出資比率=アトレ51%、三井物産49%)とブリーズが台湾でのSC事業統括会社、ブリーズ・アトレ・ホールディング(出資比率=ブリーズ60%、AICO40%)を作り、来年10月の予定で台北市に「アトレ」の1号店を出す。

 アトレは昨年12月に米国企業と提携してハワイにレストランを出店し、海外に進出したがSC事業は初めて。1号店でノウハウを積み重ねながら、台湾を中心にアジアでの事業を今後拡大する。

 1号店は台北市中心部のオフィス、商業集積地である信義エリアに出店する。ブリーズが台湾で10施設目として開業する大型複合施設、ブリーズ南山店内に入る。商業施設棟地下2階~地上7階(店舗面積約5万4000平方メートル)のうち、地上2階の一部と3~4階に出店する。店舗面積は約1万2500平方メートル。

 「スローライフ」「スロータイム」をコンセプトに、日本のアトレと同様の「上質で、リラックスするライフスタイル」(三輪美恵アトレ常務)を提案する。日本企業以外を含めたファッション、雑貨、ビューティー、食物販、カフェなどの飲食店約50店の導入を計画、「台湾の消費者ニーズに合わせて、日本に比べて食分野の比率を高める」という。

 アトレは既存の駅ビル事業以外の開拓を目指し、15年7月に成長戦略室を新設。海外事業を新規事業の柱に据えている。ハワイでのレストラン事業のほか、アトレに出店する日本ブランドを集めたブースを15年11月に台北のファッション展示会に出展、昨年7月にはマレーシア・クアラルンプールの大型SCに期間限定店を出店するなどアジアでのテストマーケティングを進めてきた。

 台湾にアトレの海外1号店を出すのは「日本に親しみを持つ人々が多く、最初に出る地域としては最適。現地でアトレブランドが浸透・確立すれば、日本へのインバウンド(訪日外国人)のさらなる取り込みが期待できる」(一ノ瀬俊郎社長)と判断したため。台湾で鉄道事業を軸にしたインフラ整備で実績がある三井物産と現地の有力ディベロッパーのブリーズのノウハウを結合し、「今までにない施設を作りたい」という。

 JR東日本グループとしても海外事業を推進しており、今年11月にはルミネがシンガポールに海外1号店を出す。



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