アシックスジャパンは28日、学校法人立命館と、スポーツを通じた人材育成などを目的とした包括的連携交流協定を締結した。今後両者は、毎月1回以上の協議の場を持ち、学生アスリートの育成・サポートや、スポーツ科学・技術面での研究者交流、学生・生徒参加型の商品開発、校章・ロゴマーク入りスポーツ用品の製造・販売などに取り組む。アシックスジャパンが学校機関とこうした連携協定を交わすのは、早稲田大学に続き2例目。
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今協定の連携対象には、約3万3000人の学生を抱える立命館大学だけでなく、立命館アジア太平洋大学(約5500人)や四つの付属高校・中学・小学校(約4800人)も含む。現在アシックスジャパンは、立命館大学に55ある公認の体育会クラブのうち、男子及び女子陸上競技部と男子の陸上ホッケー部の公式サプライヤーだが、今後は重点クラブを中心にサプライ先を順次広げていく。
学内やスポーツイベントなどで販売する協業グッズは、新年度の早い時期に商品化する予定で、まずは校章・ロゴ入りのアウターからスタートする。
立命館大学は、各体育会クラブを統括する学内組織をいち早く置いたり(98年)、スポーツ健康科学部を設置(10年)するなど、スポーツ政策を積極的に進めてきた。
アシックスジャパンは、スポーツに対する同学園のこうした姿勢に共鳴。さらに、小・中・高・大学を擁する総合学園としての影響力を持ち、約36万人の卒業生を抱える立命館と組むことが「アシックス」ブランドの価値向上につながると判断し、提携を呼びかけた。
16年3月に契約を交わした早大では、ラグビーや競争部など強化5部にユニフォームやシューズを提供するほか、アシックススポーツ工学研究所での体力測定も実施している。教育面では、スポーツビジネスに関する現役社員・幹部による講義やグループワークを開催。社会貢献では、年に一度、早大が東伏見キャンパスを開放して開催する地域交流スポーツイベントに協賛した。
西前学社長は「早大との1年半の経験で、(学校との連携の)ノウハウを築きつつあり、これを効果的に生かしたい」と話す。