10周年を迎えた「アシードンクラウド」(玉井健太郎)は19年秋冬、これまで関わってきた人たちに感謝の気持ちを伝えるコレクションを作った。
20シーズン目のテーマは雲上花(モガミバナ)。玉井が幼少期に創作した絵本の続きで、旅を続ける少年が雲の上で美しい花を咲かせ、自分に経験や知識をくれた人たちの家に、その花を落とす話を形にした。
ジャカードニットのセーター(3万6000円)には、花と雲を組み合わせたモチーフを描く。雲南省の民族衣装の柄をベースに発想を広げ、祈りを感じさせる美しい図案に仕上げている。
キルティングのスカート(3万6000円)は、様々な職業の人が住む村をイメージして家の連なりをステッチ柄にし、丸みを帯びたシルエットで温かな雰囲気を出した。
家族への愛情も伝えたいことの一つ。ポケットで子供と手をつなげる〝ファザーズコート〟をリバイバルし、新型で子供が中に入って顔を出せるボタン仕様の〝マザーズコート〟を提案する。ユニークなアクセサリーもある。親に甘える子供のいたずら心を反映し、オナモミのブローチを作った。