旭化成はキュプラ繊維「ベンベルグ」で工場火災前の90%弱までの設備復旧を進め、26年4月に生産再開を目指す。現在の7割水準から引き上げ、供給不足をカバーする。
【関連記事】旭化成 「ベンベルグ」7割稼働からの回復 投資効率を見極め判断
宮崎県延岡市のベンベルグ工場で22年4月に起きた火災で生産を停止、同12月に約3分の1の設備で生産を再開した。昨年秋には生産再開箇所を拡大し、火災前の生産能力2万2000トンに対し、約7割まで戻していた。
「ベンベルグはこの間、インド、中国、欧州向けなどが好調で、景況に左右されずニッチなポジションを築けている。昨年4月に値上げも要請したが、需要は落ちていない。玉不足の状況が続いており、供給力を戻したい」(ライフイノベーション事業本部コンフォートライフ事業担当の西澤明上席執行役員)とし、数十億円を投じた追加の復旧を決めた。