アサヒコーポ、1日から「アサヒシューズ」へ

2017/04/04 06:20 更新


 3月30日付で更生手続きが完了したゴム靴メーカーのアサヒコーポレーション(福岡県久留米市)は1日、社名を「アサヒシューズ」に変更、新たなスタートを切った。

 同日開いた久留米市での社員決起集会で佐藤栄一郎社長は「この日を迎えることができたのは奇跡としか言いようがない。皆さんの努力、周りの助けもあった。次の目標である上場に向けて、日本一の靴メーカーを目指そう」と呼びかけた。3日には新入社員23人の入社式を行った。

 新たなスタートにあたり、靴メーカーと分かりやすいように社名を変更、3~4年以内の株式上場を目指す。決起集会は全国とテレビでつなぎ、会場には社員約300人が集まった。1日付で取締役会長に就任した更生管財人の木上勝征弁護士は「長い戦いだったが過去の話。70%が社員の持ち株で、社員一人ひとりの会社として最高の会社にしよう」とあいさつした。

 経営方針では「選択と集中」「売り上げから利益」を今後も継続しながら、売り上げ拡大にも取り組む。「快歩主義」「アサヒメディカルウォーク」「トップドライ」などの主力ブランドの商品開発及び品質管理、ネットやテレビなどの直販、中国を中心とした海外販売などを強化する。そのため、強みである久留米工場で設備投資を行い、約70%の国内生産を中期的に100%に近付ける。

 一方、社員が安心して働けるように1日から定年を60歳に、再雇用を65歳までに引き上げた。05年から開始した新規採用は今後も行う。久留米工場の製造部門は約300人のうち60%以上を20代の若手社員が占めるため、社員教育や技術継承にも注力する。

 同社は98年に倒産し、会社更生法の適用を申請、01年に認可を受けた。16年12月に総額261億円の更正債権を完済した。

社員代表が決起集会で「再建した誇りと感謝を持ってがんばっていく」ことを表明


「再建スタート時には悲観的な声が多かった」と、当時を振り返るアサヒシューズの佐藤栄一郎社長(左)



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