滋賀県湖東の麻産地で、服地以外の素材・製品開発と販売が進んでいる。この数年、消費者の麻への関心の高さを反映して、寝具や寝装、リビング分野でも麻商品の需要が伸びている。これを受けて同産地でも、新市場開拓への取り組みが加速し、「服地と並ぶ柱事業に成長」(滋賀麻工業)してきた。
麻は衣料から雑貨まで関心が高く、80年代のブームを上回る動きとなっている。服地分野ではベーシック素材は海外で手当てされ、国内麻産地は複合や加工、機能性付加などの難度の高い生産が中心。このため顕著な量的拡大は見られないものの、安定した業績につながっている。
一方、服地以上に伸びているのが寝具や寝装、リビングなどの分野。麻絲商会はこの数年、毎年2ケタ増で推移している。滋賀麻工業も麻絲商会も売り上げの3割を寝具や寝装などの分野が占めるようになり、柱事業に育ってきている。
もともと湖東産地は、服地と寝具・寝装の商品や生地が事業の柱であったが、以前の寝具、寝装はポリエステルや綿の中わたを中心にした量産品によるギフト市場が主力だった。その後、安価な海外生産に置きかわり、産地全体の生産量が大幅に縮小していた。