ファッションに携わる仕事は様々。仕事への情熱を大切にしながら、向上心を持ってスキルを磨いている。企業は一翼を担っていく人材へのサポートや個性が発揮できる環境作りを行い、成長を促している。魅力を感じてもらい、ファンになってもらえるように努めている日々の思いや目標を聞いた。
プロトタイプ店で新たな挑戦
入社4年目の小長根佑衣さんは、今年2月から新店の北千住駅西口店で副店長として働く。AOKIは都内の駅前などの好立地に戦略的に出店を強化しており、同店は通常よりも小型のプロトタイプ店。狭小店だがEC「イージーウェブショップ」と連携しつつ、丁寧な接客などリアルな強みを生かした新たな売り場作りを目指す。
人柄の良さが魅力
もともと就職活動中はアパレル関係を志望していたわけではなかった小長根さんは、たまたまスーツを購入したのがAOKIで、丁寧な接客が印象に残っていた。その後、「誰かの人生に寄り添う仕事がしたい」という自分の考えと、AOKIの企業理念が合致したため、インターンシップを受けてみようと思ったという。「採用の選考過程で出会った社員の人柄の良さに感銘を受け、ここなら社会人の基礎を形成するのにふさわしい」と入社を決めた。
23年度に入社し、東京の足立竹の塚総本店で販売員として経験を積む。24年12月に副店長の試験に合格し、25年5月に副店長として板橋店に配属され、エリアのレディスチーフも務めた。そして、今年2月にオープンした北千住駅西口店の副店長に就任。24年度には、来店客からの感謝の声が多かったことから優秀販売員に選ばれた。
「明るい性格で人間観察が好き」と自己分析する小長根さんは、接客時も客の動向を注意深く観察する。笑顔を絶やさず、客のテンションや会話のトーンに合わせ、気さくに話しかけたり、遠目で見守ったりしながら要望に応じる。接客では「距離感が大事」と強調する。若い世代は販売員から話しかけられたくないセルフ志向の人もいるので、ファーストコンタクトの反応を見て、困り事があればすぐに売り場を案内し、商品説明に入るなど、来店客の気持ちの温度差に気づくように心掛けているという。
客の人生に寄り添う
販売現場でのやりがいは「オンラインでの購入が増大する中、成人式や就職活動、入社など客の人生に寄り添い、リアルな場でしっかり話を聞き、悩み事の解決に役立てること」だと考えている。最近は、仕事でスーツを着用しない人も増え、逆に「オフィスカジュアルやスマートスタイルって何ですか」とよく尋ねられるという。そうした疑問に答える際、全社で強化している着回し提案「ワンクロスリー」も意識しており、コーディネート提案に力を入れている。
今チャレンジしているのは、プロトタイプ店の基盤作り」で、従来の売り場の3分の1と限られたスペースでも効率的な導線作りに試行錯誤している。特に小長根さんが担当するレディス売り場(2層の店舗の1階)では、来店客に足を止めてもらえるよう毎週のようにVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を変えている。ECと連携することで店頭在庫が少なくても販売機会ロスを防ぎ、顧客満足度の向上も追求している。
現状の課題は、学生アルバイトを含めたパートナー社員の教育。同店立ち上げ時にはAOKIでの接客未経験のスタッフが多く、基本的なことから教えた。それでも1年間で一番忙しいフレッシャーズ商戦(2、3月)をチームワークで乗り越えることができた。
小長根さんは「当面は現場でスキルを磨くためにも、エリアのレディスチーフも担うのが目標」と意欲的だ。現場と本社の懸け橋役として「新世代の意見も加味しつつ店頭での顧客の声を届けたい」考えだ。「将来的には本社で人材育成、もしくはプロトタイプ店の開発などにかかわりたい」とも。「今まで学んできたことや自分が先輩社員に感じた人柄の良さを、次の世代にも伝えることも自分の役割」と前向きだ。
■ここがすごい!
「小長根さんの持ち味は、高いコミュニケーション力と明るい笑顔です。常にお客様に寄り添う姿勢が評価され「お褒め大賞」に輝くなど、AOKIの顔として厚い信頼を得ています。入社4年目ながら向上心が高く、何事にも果敢に挑む姿勢は周囲の模範です。今後も経験を積みながら、次世代のリーダーとして大いに活躍することを期待しています」(久松竜也AOKI営業部ゾーンマネジャー)
(繊研新聞本紙26年4月17日付)
