米オリジナル 日本の小売業に注文シャツのシステム

2017/08/18 10:58 更新


 オリジナル社(米サンフランシスコ、ジン・コーCEO=最高経営責任者)は日本の大手小売業3社と、オーダーメイドシャツを受注・生産・配送する独自のオンラインシステム「オープン・カスタマイズ・プラットフォーム」の提供で合意する予定だ。オリジナル社はネットを通じて自分好みのシャツをオーダーメイドできる「オリジナルスティッチ」を生産・販売する。合意すれば今秋からこの取り組みによるシャツの製造販売を開始する。

(亀井善史)

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 プラットフォームの提供で合意予定の3社はいずれも店舗数が300店以上(3社合計で1000店以上)、年商が1000億円程度かそれを超える規模。10月か11月から販売を始め、1社当たり年間販売数量6万枚(3社で18万枚)を計画している。このほかに8社から問い合わせが来ているという。

 オリジナル社は最近、オーダーシャツの初心者向けに、日本製の綿100%シャツで5500円の商品ラインを投入し、順調に売れている。オリジナルスティッチのリピート率は68%で、返品率は4%と低い。現在の会員数は36万人(うち日本の会員は10万5000人)。

 オリジナル社はオーダーメイドシャツを受注・生産・配送する独自のオンラインシステム「カスタマイズ・プラットフォーム」を3月から稼働させている。それを自社だけで使うのではなく、他社のアパレルブランドや小売店も活用できるようにしている。「カスタマイズ・プラットフォーム」は日本でも商標を取得。オリジナル社と提携した企業は、様々な工場の中から自社に最適な工場を選ぶことができる。

 また、日本製シャツの拡大に向けて、フレックスジャパンに続いて、山喜ともシャツの生産で提携した。これにより、オリジナルスティッチがパートナーシップを組む日本の国内工場は、フレックスジャパンの長野本社工場、熊本工場(天草フレックス)、山喜の信州工場の3カ所となる。「より多くのブランドにカスタマイズ・プラットフォームの機能を柔軟性を持って提供することが可能になる」としている。

 フレックスジャパン長野本社工場では、1日に約300枚のオーダーシャツを生産している。

 また、オリジナル社は〝3Dデザインシステム〟で米国の特許を取得した。3Dデザインシステムはオリジナルスティッチのサイト上でシャツのパーツなどを選んでいくごとに、そのデザインが立体的なシャツの画像にも即時に反映され、よりリアルなオンラインオーダーメイド体験が可能になる。

 1枚のシャツを構成するパーツを、襟の表地、袖の裏地、プリーツやボタンにいたるまで細分化し、それぞれのパーツのグラフィックを450種類の生地データと連動させることができる。




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