アルペン次期社長の水野専務が語る

2016/07/26 17:10 更新


 「当社は健康をキーワードにしている。リオ五輪ではスポーツへの関心が一層高まるので、日本人の活躍する競技には特に注目している」と話すのは、9月開催予定の株主総会で社長就任が内定しているスポーツ専門店大手アルペン(名古屋市)の水野敦之専務。昨年秋のラグビーワールドカップでは、日本チームの活躍でレプリカジャージーなどがよく売れたことから、リオ五輪でもテニスやゴルフなど選手たちの活躍に期待しており、五輪関連商品も充実する計画。自身もスキーとともに趣味のゴルフ競技に注目しているという。

 同社は健康をキーワードにした商品開発に力を入れており、ランニングやウォーキング分野の拡大を進めている。20年の東京五輪に向けて品揃えの充実、PB開発を強化し、EC部門を伸ばし、アスレジャー的な志向への対応を当面の課題としている。

 社長交代については2年ほど前から水野泰三社長と話し合ってきたが、昨年にEC運営のロコンドと資本業務提携を結ぶなど準備が進み、当面は代表取締役会長となる水野泰三社長とともに事業運営に当たる構え。新体制移行後の役割分担としては社長が社内の実務を担い、会長は主催ゴルフ大会をはじめ対外的な活動が増える見通しだ。

 EC化率は現状1・5%とまだ少ないが、伸び率は高く、早期に5%を目指す。昨年春からは自らデジタル推進本部長を務め、ロコンドとの提携以降、抜本的な改革を進めており、ECシステムを利用した店頭での欠品商品の配送サービスも好評という。

 今後の企業の方向性としては「イグニオ」「キスマーク」「ティゴラ」といったPBを強みに拡大し、「PBのNB化」を進める。スキー板の「ハート」のようにゴルフやランニング分野でもNBに負けない技術開発、知名度アップを目指す。そのため、今年春からはグループで初めて、プロ野球横浜DeNAベイスターズの須田幸太投手と、ティゴラ商品の使用と販売促進に関する契約を結んだ。

 PBを生産する子会社のジャパーナは7月6日から開催されたISPO上海にも初出展し、中国内販をはじめ、欧米向け販売にも挑戦する。ジャパーナではすでに欧州の小売店PB生産を手掛けているが、日本ではホームセンターや通販向け卸に加えて、前期からスポーツメーカー向けOEM(相手先ブランドによる生産)も拡大している。ジャパーナは4月に新たにカンボジア工場を稼動させ、シューズの生産を開始した。昨年春にはバンコクに事務所を開設し、アジア地域での生産拠点を開拓している。

アルペン2 (1)

 



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