赤ちゃん本舗 20年ぶりに海外出店を再開

2019/10/11 06:30 更新


 赤ちゃん本舗が20年ぶりの海外出店に乗り出した。4日にオープンしたのは、台湾1号店となる「アカチャンホンポ秀泰樹林店」。新北市樹林区にある「秀泰生活樹林店」内で、店舗面積は545平方メートル。今後の小型店出店に向けたモデル店舗として位置付ける。海外では、かつてシンガポールに出店していたが現在は閉鎖している。

 同社の標準店舗のSKU(在庫最小管理単位)は約1万~1万2000だが、台湾店は4000。マタニティー、ベビー・キッズ用品を扱い、まんべんなく売れているという。17年に独資で現地法人を設立、19年に秀泰生活樹林店に期間限定店を出し、手応えを得たため直営店出店を決めた。1号店で基盤を作り、台湾での多店舗展開やEC販売を予定する。

 国内での出店も、1155~1320平方メートル規模の売り場面積が取りにくくなっているため、都市部のターミナル立地への出店を強化中。国内では4月に出店した大阪・京阪シティーモール店(944平方メートル)が最小だったが、台湾店と同等の面積での出店も検討していく。

 今期(20年2月期)の出店は台湾1を含め11。上期は減収微減益となった。訪日外国人客による紙おむつの大量買いが「完全ゼロ」(佐藤好潔社長)になったことや、来期に埼玉に開設する初めての自社物流センターへの投資が要因。下期は出店効果や自動発注システムの精度が向上して在庫が減ったことで、増収増益を見込む。

 来期は「今後の出店に向けた地盤固めの年」として、差別化のカギとなる衣料品を再構築する。全売上高に占めるアパレルの比率は約2割。オリジナル「シンプルフリー」は、20年春夏物から服飾雑貨まで広げ、キャラクター性の強い他社ブランドの仕入れも強化する。マタニティーウェアは、ワールドプロダクションパートナーズとの共同開発で独自性を出し、服以外の商材と合わせてコーナー展開する。

台湾1号店は標準店舗の3分の1にSKUを抑えた


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事