アダストリア「ビジュリィ」 ノンワイヤブラで市場開拓

2018/03/07 04:28 更新


 アダストリアは5日にスタートした初のレディスインナーブランド「ビジュリィ」で、大手のカジュアルSPA(製造小売業)やインナーメーカーと差別化した商品で市場開拓に挑む。

 女性のインナーに対する価値観の変化を踏まえ、快適性と女性らしいファッション性を兼ね備えたノンワイヤブラジャーを手頃な価格で販売する。

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 日本のインナーはワイヤ入りのブラが主流だったが、大手カジュアルSPAの低価格のカップ付きキャミソールやノンワイヤブラの影響もあり、楽な着け心地を求める女性が増えた。一方でそれらは機能重視のシンプルな商品が中心のため提案の余地があると考えた。

 ビジュリィの主力商品のノンワイヤブラやブラレットは、繊細な総レースなどフェミニンなデザインだが、余計な装飾は無くアウターに響きにくい。締め付け感なく体にフィットし自然にバストを整える。ショーツやカップ付きキャミソール、ヨガなどで使える商品もある。

 「今の女性からは、ノンワイヤの楽な着け心地を知るとワイヤ入りに戻れないという声も聞く。商品バリエーションで応えたい」と話すのは、レディスインナー業界出身で、インティメイト事業部/ビジュリィディレクター兼チーフデザイナーを務める田村静江さん。サイズはMとLで、今後のサイズ展開は実際の反応を見て検討する。思い切って2サイズにしたのも非専業ならではの発想とし、「洋服を選ぶ感覚でブラを選んでほしい」。

 ノンワイヤブラが2600円、2900円、3300円など、カジュアルSPAとインナー専業の商品との間の価格にし、自社EC「ドットエスティ」の洋服との買い回りも意識した。ゾゾタウンでも販売する。EC中心だが、「グローバルワーク」「アパートバイローリーズ」「アンデミュウ」の一部店舗でも扱う予定。イメージビジュアルのモデルはローレン・サイさん。

 アダストリアはジュエリーやコスメなど新事業を強化しており、インナーもその一つ。専門性の高いレディスインナーは新規参入が難しかった市場だが、インナー業界で実績のある人材を起用しており、シンプルなサイズ設定で価格も手頃なノンワイヤ商品は自社ブランドの店でも販売しやすそうだ。快適性がインナーの一大トレンドとなる今、ファッション企業がどこまで支持を広げるか注目だ。

アウターから見えてもおしゃれなデザイン


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