アダストリアはメタバース(インターネット上の仮想空間)で、新規客や協業先との接点を広げる。4月にはアバター向けの服などを販売する外部の企業やクリエイターが出店できるプラットフォーム(PF)をオープンした。早期参入で仮想空間市場での先行メリットを狙う。
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22年に専門のチームを立ち上げた。オリジナルのアバターと、実際の自社ブランドの服をアバター用にして販売している。これまでのメタバース関連の売り上げは総額1000万円ほど。仮想空間でブランドを知り、実際の服を買った新規客が増える効果もあった。
新たにオープンした販売PF「スタイモアー」は、ファッションECのように、アバター用の服をアイテムで絞り込んで検索できる。企業は販売価格の10%、個人は7%の手数料を払えば、誰でも出店できる。
出店者を募るだけでなく、新しい協業先も増やす狙いだ。田中順一執行役員マーケティング本部長兼ドットエスティ事業本部長は「メタバース用のファッション専門の販売PFはまだない。当社が先駆けになれる」と話す。
「現実世界と同じでコミュニケーションが楽しみの一つ」と考える。仮想空間でもファッションショーなどのイベントを企画し、「おしゃれをして出かける場」を提供したいという。