アダストリア 「グローバルワーク」で新業態 日常に寄り添った服を低価格で

2023/01/30 06:28 更新


客にストレスない売り場環境を整える

 アダストリアは「グローバルワーク」で新業態「スマイルシードストア」を始める。「ベーシック」「デイリー」「エイジレス」をキーワードに、日常に寄り添った服を低価格で販売。従来、グローバルワークでは出店しなかったチャネルを積極的に開発する。今春には関東の地域密着型SCに3店を出し、5年で150店規模に広げる計画だ。

【関連記事】アダストリア「エルーラ」 悩みに寄り添う接客が大人女性から支持

 マス市場でのブランドの立ち位置を強固にする狙いがある。データ分析と物作りを強みに、ブランドの顔となる主力商品を確立して既存事業の規模を拡大するとともに、新たな市場を開拓する。

 スマイルシードストアは「日常の大切さを感じる暮らしの需要」の高まりを受けて開発した。市場の変化を「新しい豊かさを提案していくブランドが求められつつある」と分析。これまでは、ニューファミリー層のオンシーンに向けた商品を販売してきたが、より日常に特化することにした。

 商品は、「これがいい」と思える「長く愛される日常着」を目指す。ファッション、ファンクション、フィーリング(日常生活で肌触りや質感、着心地を感覚的に〝良い〟と感じられる)の「3F」を担保した品質を維持し、グローバルワークよりも買いやすい価格帯にした。自社の生産背景を生かし、適切な商品を適価、適時で提供。インナーやルームウェアなど商品カテゴリーも拡充する。

 今後は地域密着型SCを中心に、GMS(総合小売業)やSC内の衣料品売り場、ロードサイドなどに出店を計画している。

 グローバルワークは同社の基幹ブランドだが、他の「ニコアンド」「ローリーズファーム」「スタディオクリップ」のなかでも成長率が高い。22年3~11月の売上高は前年同期比21.2%増で、全社の18.9%にあたる334億5500万円となった。定番商品の「ウツクシルエットパンツ」は特徴を打ち出したCMの効果で大きくヒット。累計販売数は200万本を突破した。「(22年は)次の売上高1000億円のブランドに向け、良いスタートダッシュを切った」(木村治社長)とさらなる成長に期待をかける。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事