99%IS-ソウルで“ユース”マインド

2016/11/17 06:34 更新


 韓国出身で、日本をベースにするバジョウの「ナインティナインパーセントイズ」17年春夏は、アイデンティティーであるパンクのスタイルに、様々なユースカルチャーの要素やマインドを盛り込んでいて勢いがある。14年春夏以降、不定期で東京でショーを行ってきたが、今季は初めてソウルでショーをした。

 高級ホテルの駐車場で開いたショーに登場したのは、ライダーズジャケットやボンテージパンツといったパンクの王道スタイルに、ジャージーやパジャマ、スリットだらけのシャツを合わせた男女のモデル。

99%25ISメンズ

99%ISレディス

  上品なはずのカシミヤセーターもフロントが大きくくり抜かれ、中から際どい柄の「セディショナリーズ」との協業Tシャツがのぞく。本職のモデルとともにバジョウの友人のパンクスも交じっていて、歩きながらお酒を飲んだり、たばこを吸ったりと皆やりたい放題だ。

 以前は、パンクの型通りのスタイルを上質素材やスタッズ装飾で味付けする傾向が強かったが、より遊びの幅が広がって、自由でエクストリームな感覚が加わった。「パンクスだけでなく、ヒップホップやロック好きも含め、今の時代の若い子たちにファッションを楽しんで欲しい。僕が楽しいって思っている気持ちを、どうやったら自己満足にならず、みんなにも伝えられるかを考えた」とバジョウ。

 ショーは、ソウル・ファッションウィーク中に、オフスケジュールで行った。ちょうど現地を訪れていた「ヴェットモン」のチームも来場し、話題となった。ソウルで発表したのは、「韓国の方が、日本よりも若手ブランドを支援する体制がある」から。ソウルと東京は、アジアのファッションハブの座をかけて競い合っている。これが東京ではなかったというのが、正直悔しい。(五十君花実)



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事