札幌の4丁目プラザ跡地を複合商業ビルに再生 鹿島が再開発に着工

2023/06/29 06:28 更新


札幌4プラ跡地を再開発(イメージ)

 鹿島は、札幌市中央区の旧「4丁目プラザ」跡地の再開発事業に本格的に着工した。市内有数の繁華街である南1条西4丁目スクランブル交差点(4丁目十字街)に面していたファッションビルの4丁目プラザが22年1月に閉店、新たに鹿島が企画・開発・設計・施工を行い、地上13階、地下2階、延べ床面積約1万9000平方メートルのオフィスと商業の複合ビルを建てる。完工は25年1月を予定している。商業フロアは地下1階~地上3階で「まちのリビング」をコンセプトに開発を進める。

 4プラは商業の中心地で若者文化をけん引する先駆的な商業施設として支持されてきた。この歴史を継承しながら、札幌大通地区のシンボルとなる新たな活動の場を生み出す。「生活する場所」「働く場所」「交流・休憩する場所」といった既成概念にとらわれずに、個人から企業までさまざまな主体が集まる「自由な価値観・ライフスタイルを育む新しい活動の場」を創出する。

 地下1階はさっぽろ地下街ポールタウンと接続し、地下鉄大通駅から天候に左右されずにアクセスできる。個性豊かな飲食店を誘致して札幌ならではの、にぎわいあふれる地下空間を提供する。地上1階は休憩やカフェなど利用者が思い思いに過ごせるように、札幌市電の西4丁目駅の正面にカフェを併設したスペースを設ける。3階には木材や植栽の温かみを生かして冬季でも公園のように気分転換やリラックス出来る空間をつくる。3階外周を半屋外テラスとし、利用者に多様な居場所を提供するとともに、施設のにぎわいを生み出す。

 地上4階から13階は札幌大通地区最大規模のオフィス空間となる。カーボンニュートラルに向けた環境への取り組みやBCP(事業継続計画)対策、大規模災害帰宅困難者対策などを行う。このほか、開発段階における路面へのにぎわい創出の取り組みとして、ヘラルボニーと協働し、主に知的障害のある北海道出身アーティストの作品を工事現場の仮囲いに展示する。展示作品は仮囲い撤去後に洗浄・加工して館内の一部什器に再利用する。



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