東京ブランドがリアルの展示会 ジェンダーフリーやサステイナブル意識

2021/02/09 11:00 更新


 東京ブランドは相次ぎリアルの21~22年秋冬展示会を開いている。メンズは、それぞれのブランドのオリジンを背景にした新作を見せた。ジェンダーフリーやサステイナブル(持続可能)など、今の時代を反映したクリエイションが目立つ。

(小笠原拓郎)

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 「トーガ」は「ジェンダーの境界を越える」をテーマにした。70年代の雰囲気が漂うベルベットジャケットはフリルの開襟シャツと合わせてベーシックに見せたり、オーバーサイズでベルトで絞ってみたり。性差や人種や年齢は関係なく着る人の体次第で様々な着用スタイルが考えられるコレクションだ。

 中わたのトレンチコート、ジャケット、ブルゾンなどのアウターは、ウエストマークするとフォルムに違いが生まれる。また、様々な素材と色柄のセットアップも充実した。フェイクスエードのブークレブルゾンとパンツはつなぎのように合わせる。オリジナルのグラフィックには星座やアニマルを取り入れた。クリーンなシャツに動物モチーフが彩りを添える。スカーフやネックレス、イヤカフなどのアクセサリーにも星座やアニマルモチーフを取り入れた。シューズはシャークソールのサイドゴアブーツ、ウエスタンモチーフのフラップが付いたレースアップ、ボリュームのあるファーサンダルなど。

トーガ(フェイクファーコート)
トーガ(ベルベットジャケット)

 「チノ」は66年に来日したビートルズからイメージしてコレクションを作った。羽田空港に降り立ったビートルズが揃いの法被を羽織った姿から、「モッズ少年が和を着る」をテーマにした。日本のアイデンティティーと60年代のロンドンのアイデンティティーが出合った空気感を模索した。「活動が制限される新しい日常において、英国を訪れた際に感じたその場所ならではのスタイルや感覚を呼び起こし、時空をも超えたイマジネーションを掛け合わせた」という。和のディテールを取り入れながら、クオリティーの高い素材で変化を作る。スーパー120のダブルフェイスウールのビーバー仕上げのコートは、裏にイエローやパープルを使って色味を変える。どてら風の求心ニットはロロピアーナのカシミヤを使う。きもの合わせのジャケットやきものとドンキーコートが合体したような襟のコート、M-65のミリタリーコートもきもののような前合わせ。

チノ(きもののディテールを取り入れた)
チノ(モッズ少年と和をミックス)

 「チルドレン・オブ・ディスコーダンス」はデコンストラクト(解体再構築)をベースにしたクリエイションを続けている。秋冬は、アイコンともいえるバンダナを使ったアイテムが充実した。アメリカ、インド、パキスタン、フランス、オランダの5カ国からバンダナ生地を輸入して、それをアトリエでパッチワークして作る。バンダナ地のダウンジャケットは、バンダナをボンディングしてオパール加工でカットジャカードのようにした。「バンダナは自分にとって一番ベーシックなファブリック」とデザイナーの志鎌英明。

 このほかにも、スカーフ地はフランスから、ラグ地はインドネシアから輸入している。ビンテージTシャツや80~90年代のスポーツメーカーのトラックスーツを解体再構築したアイテムなどもある。また、リサイクルポリエステルのフリースをパッチワークしたトップなどサステイナブルなアイテムも出した。

チルドレン・オブ・ディスコーダンス(バンダナ地のダウンジャケット)
チルドレン・オブ・ディスコーダンス(スカーフ地のフーディ)

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