22年プレスプリング&リゾート・レディス 日常着を色柄で新鮮に

2021/08/04 06:27 更新


 22年プレスプリング&リゾートコレクションは、鮮やかな色柄が主役だ。ウェアの需要が高いブランドは、日常的に取り入れやすいセットアップやドレスを、アクセントとなる色柄で新鮮に表現している。色はグリーン、ブルー、オレンジ、ピンク。柄は大胆なカラーブロック、壁紙風のフラワープリント、アウトドア風のバファローチェックなどが目を引く。70年代前後のノスタルジックな雰囲気も広がっている。

(青木規子)

【関連記事】欧州レディス22年リゾート&クルーズコレクション 鮮やかなカラーパレット充実

 サカイの22年プレスプリングは、アウトドアの要素を取り入れた機能的なデザインが充実する。ドレスアップスタイルを提案した21~22年秋冬に対し、今シーズンは気軽でリアリティーに富んでいる。22年春夏メンズと同様にボンディング(絆)を切り口に一体感を表現した。テーラードジャケットのディテールが袖口や裾からのぞくナイロンブルゾンや、ランジェリートップとスラックスを組み合わせたようなロングドレスなど、意外な要素を組み合わせて新しい服を構築している。ペーズリーのバンダナ柄やバッファローチェックといったサカイらしい生地は、撥水(はっすい)加工を施したテクニカルナイロンと組み合わせる。パッチ&フラップポケット、止水テープ、プラスチックのジップアップといったディテールがアウトドアのムードを高めている。

サカイ

 人気のテックウェアブランド「アクロニウム」との協業シリーズでは、サカイらしいエレガンスとアウトドアの要素が同居するノースリーブドレスが目を引く。陶器の「アスティエ・ド・ヴィラット」と協業したピクニックバスケットも今シーズンらしい。

サカイ

 トーガのプレスプリングに当たるレディスの「トーガ・プルラ」とメンズの「トーガ・ビリリース」は22年春夏コレクションを見せた。今回は、どちらのルックにも同じ男女のモデルが出てくる。二つのラインに境界はなく、どちらの服を着たってよいという考え方だ。同じコーディネートを違うモデルが身に着けることで、両者の個性が見えてくる。性差や年齢を超えてファッションを楽しむという考え方をデザインにも取り入れて、機能的なMA-1やポンチョには花のカットワーク、メンズのシャツやブルゾンには女性的なレースやラッフルが飾られる。

 ニューロマンティックの気分が漂うプルラは、着る人によってムードもいろいろ。コットンレースに大きなリボンのストラップを飾ったドレスは、男性モデルが着れば中性的で少年のような雰囲気に。長身の女性モデルがラッフルドレスにスラックスを合わせれば、ハンサムなスタイルになる。

トーガ
トーガ

 カラーの22年春夏レディスは、様々な要素が重なっている。ブラウスの一部分だけ覆うカーディガン、片袖だけ装飾的なマキシドレスなど、アシンメトリーに異素材を重ねたスタイルが揃う。色柄を重ね、ディテールをプラスしながら、先シーズンに引き続きカラーが追い求めているのは「新しいミニマル」。ひたすらそぎ落とす一般的なミニマルではなく、カラーらしい複雑な部分を維持したミニマリズムを模索している。

 ここ数シーズン継続する「壊れたものを修復・再構築」したディテールも取り入れて、新しい形に仕上げた。軽やかなドレスの身頃にはボーダー柄が重ねられ、袖にはフリルやギャザーが飾れられる。大きなシャツに大きなポロシャツのレイヤード、ボーダーソックスとサンダルの組み合わせなど、60年代や70年代レトロのエッセンスも。爽やかなライトブルーやグリーンにはベージュやグレー、ブラウン。赤やパープル、オレンジがアクセントになっている。

カラー
カラー

 プランCの22年春夏は、鮮やかなティールブルーやアプリコットのワンカラースタイルが目に飛び込んでくる。クリエイティブディレクターのカロリーナ・カスティリオーニは今シーズンも、メリハリのある色や独特な質感、楽しい柄でブランドのモダンなスタイルを形作った。ルックの最初に出てくるテーラードジャケットやショートパンツのスタイルは、ブランドのシグネチャーと言えるゆったりとしたシルエット。フーディーやスニーカーでラフな日常着に落とし込む。

 ボーダーのクロップトセーターにチェックのビュスティエ、小花柄のドレスにカラーブロックのカーディガンといった大胆な組み合わせが多い。赤と白のチュニックシャツ、ブルーと白のフーディーなどカラーブロックのアイテムが充実する。デビュー当時から使っている自身の子供が描いた絵のプリントがバッグだけでなく、服にもアップリケされている。

プランC
プランC

 MSGMの22年リゾートコレクションは、前向きな雰囲気を明るい色で表現している。華やかなブルー、蛍光のライラック、フクシャピンク、オレンジ、グリーン。蛍光色のハイライトをポイントにした弾ける雰囲気が戻ってきた。ホールターネックのドレスに、フリルのクロップトトップとスカートのセットアップ。若々しい夜のパーティースタイルといった気分が感じられる。ハート柄のタートルネックトップにオフショルダーのボディコンドレスもエネルギッシュなイメージ。ノスタルジックな壁紙フラワーや伸縮するシャーリング生地で仕立てたミニドレスやミニ丈のセットアップなどレトロなイメージも楽しい。

MSGM
MSGM

 ヌメロ・ヴェントゥーノは、22年リゾートコレクションを浜辺で撮影した。いつもより若々しいカジュアルなスタイルが揃った。タイトなミニドレスに、プルオーバーとショートパンツ。そこにブランドらしいフェザーやビジューを飾っていく。さらに今シーズンはレギンスやジップアップのボディースーツといったアクティブなマリンスポーツのエッセンスを加える。鮮やかなピンクやブルー、グリーンがアクセントになっている。

ヌメロ・ヴェントゥーノ
ヌメロ・ヴェントゥーノ


この記事に関連する記事