19年春夏NYコレクション「マーク・ジェイコブス」

2018/09/13 15:55 更新


 【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】ここ数年、ずっとオンタイムでのショー開始にこだわっていたマーク・ジェイコブスは、久しぶりに1時間半押しで始めた。ガラスのパーテーションとガラスの床を敷いた直線のステージを前に、観客たちは整然と座って待ちぼうけ。1時間近く待たされた時に、US『ヴォーグ』のアナ・ウィンター氏が退席。帰ったのかと不穏な空気が流れ、同じように数人のジャーナリストの退席が続く。しかし、アナ・ウインター氏はどうやら別室で待っていた様子。開始直前に再び自分の席に着席した。セレブリティーを待っているとの噂もあったが、どうやらサンプルの到着が遅くなったというのが本当の理由のようだ。

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 春夏のアイデアは、前シーズンのラインを発展させたものが多い。シンプルなランジェリードレスから始まったコレクションは、ラバーのコートとヘッドピースを経て、前シーズン強調したパンツルックやパンツスーツへと続く。ただ、ボリューム感は前回よりも控えめ。ショート丈のジャケットに太いパンツといったテーラードスタイルが中心だ。前回と共通するのはボリュームのあるコサージュベルトやコサージュアクセサリーのディテール。ウエストや襟元から流して、シンプルなラインにアクセントを作る。コサージュの曲線と重なるようなカーブした布を重ねたティアードドレスやテントドレスが前シーズンとは異なるライン。パステルトーンの淡い色を重ね、フェザー刺繍を重ねて、ふわふわとした動きを作る。パステルカラーをまとうのは、シニョンでボリュームを作ったレトロヘアのモデルから丸坊主のモデルまで。ベールや小さなハットを重ねて、ミステリアスなムードを加えていく。前回ほどのパンチはなかったが、淡い色と曲線的に布を重ねるテクニックで存在感を出した。

マーク・ジェイコブス
マーク・ジェイコブス
マーク・ジェイコブス

(写真=catwalking.com、ランディ・ブルック)

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