【ミラノ=小笠原拓郎】19年春夏ミラノ・メンズコレクションは、スポーツやユーティリティーを背景にしたスタイルがメイントレンドとなった。ラグジュアリーストリートのムーブメントと「ヴェットモン」以降のストリートスタイルが一大トレンドとなるなかで、伝統的なテーラーリングはすっかり影を潜めてしまった。
大人のエレガンスをベースにしていたミラノ・メンズでも、テーラーリングを背景にしたコレクションはほぼない。スーツもいわゆるクラシックではなく、ストリートスタイルの中でのスーツの提案がメインだ。もっとも、これだけスポーツスタイルが広がると、いささか辟易(へきえき)する。ミラノには新しい提案を出せるブランドが限られているようにも思える。
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フェンディのショー会場には、黒と赤のトンネルから続くランウェーが作られている。そのトンネルをくぐって登場するのはユーティリティースタイルで固めたモデルたち。フィッシュネットジャケット、オープンカラーシャツのレイヤードやセットアップ、アノラック。カジュアルの定番アイテムを黒と赤を軸にしたカラーで仕立てている。
バイアスストライプやブランドロゴをグラフィカルに配したほか、防水アウターのシームテープをグラフィカルな柄のように見せた。ロゴのプリントはイタリア人アーティストのニコ・ヴァッセラーリ氏との協業によるもの。
