サカイとアンダーカバー 圧倒的なエネルギー集まった

2017/10/23 04:30 更新


 「サカイ」(阿部千登勢)と「アンダーカバー」(高橋盾)が、アマゾンジャパンによる「アットトウキョウ」プログラムとして行った合同ショー「10.20サカイ/アンダーカバー」は、今季の目玉としてウィーク開幕前から話題になっていた。会場は東京・神宮の絵画館前特設テント。有名雑誌編集長やスタイリストはもちろん、デザイナー、俳優、人気アイドル、インフルエンサー、アパレルメーカー社長、アジア圏のセレブリティーなどが集まるショーは、近年の東京のウィークにはなかった華やかなものだ。

(五十君花実、写真はブランド提供)

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 合同ショーはサカイからスタート。パリで見せたランウェーを、一部日本人モデルを交えながら再現する。ショーが終わると、今度はランウェーの反対側からアンダーカバーが始まる。2人のモデルが同じアイテムの表と裏を着て歩く演出はパリと同じだが、ラストにダークファンタジーを感じさせるドレス姿で歩いてくるモデルが子供である点が、パリとは異なる。大トリは、両ブランドのモデルがランウェーを行き交う演出。全モデルが着用するのは、「ホワット・カムズ・アラウンド・ゴーズ・アラウンド」とレタリングされた白いコートだ。

 業界の将来を担う学生に見て欲しいという考えから、今回は多数のファッション専門学生を招待していた。立ち見で真剣にショーを見て、うれしそうに拍手する彼らの表情を見ていると、大きな刺激になったことは間違いないはず。阿部はウィーク開幕前に、91年に「コムデギャルソン」と「ヨウジヤマモト」が行った合同ショー「6.1ザメン」を見た時の衝撃や、そこで受けた刺激を開催動機として語っていた。今度はこのショーが刺激となって、来場学生の中からビッグデザイナーが生まれるかもしれない。最後の白いコートに書かれていた「因果は巡る」といった意味の言葉が、そんな一連の流れを思わせた。

 東京のファッションウィークは、長らく停滞ともいえる状況が続き、業界一丸となってパワーを発揮することができていなかった。今回、久々に業界内外が注目し、エネルギーの集まる場を作り出したという点で大きな意味のあるショーだった。同時に、ファッション分野に攻勢をかけるアマゾンジャパンの本気も強く感じた。開催を記念し、アマゾンのサイトで限定アイテムを販売したが、即完売が続出した。

サカイ
アンダーカバー

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