18春夏ロンドンコレ バイアス使いのフルイドウェア

2017/09/21 04:30 更新


 【ロンドン=小笠原拓郎、若月美奈通信員】18年春夏ロンドン・コレクションは、ラスティックな気分とともに、バイアスの布の動きを生かしたデザインが広がっている。身頃に沿わせるようにバイアスの布を流したり、スパイラル状に布を巻きつけたり。スクエアな布を斜めに流したデザインやスカーフ状の布を垂らしたディテールも目立つ。官能的な女性らしさを強調するデザインもあるのだが、アブストラクトな布の動きが、単純なセクシュアリティーとは違う表情に見せる。

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 クリストファー・ケインのタイトルは「ドメスティック・サービス」。つまり、家事。レトロな家のインテリア、主婦、お手伝いさん、さらにはそこから派生する危ない世界。そんな風に発想が進んでいったのだろうか。洗濯機のドアが開いたプリントから立体的に布地がはみ出すTシャツや、テーブルクロスのような白いレースの襟がついたクロップトジャケット、ビニールのコートなどは室内をストレートに表している。

 キーとなるアイテムは、胸いっぱいに広がる大きなピークトラペルのコート。丸みを帯びた袖にフリルのラインが走るものもある。ファスナーを開けることで胸元や腰、袖に切り裂いたようなスリットが入るプルオーバーやワンピース、レース飾りのランジェリードレス、さらには下着が丸見えのすけすけのレースドレスなどセンシュアルなアイテムも揃う。

 ドレスには、下着をつけた女性の腰の作品を描き続けたアーティスト、故ジョン・カセールの作品がプリントされる。様々な手法で力強くデザインされた服の数々が揃うコレクションは、一見まとまりがない。しかし、今シーズンのトレンドの一つ、日常的なものから生まれる非日常的なデザインというフィルターを通してみると、官能的なものをさらりと流す、独自の世界が伝わってくる。

(写真=catwalking.com)







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