ジェイ・ダブリュー・アンダーソンがかつてのミニマルなラインに戻ってきた。フェティッシュ、デコンストラクト、スポーツといった要素を取り入れながら、装飾的になり過ぎないところでぴたりと仕上げたコレクション。
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アースカラーのナチュラルトーンで作るドレスやセットアップは、ニットやリネンのラスティックな風合いとフェミニンなディテールとのコントラストを生かしたもの。バストを強調したブラトップやビュスティエドレスも素朴な色や風合いで、センシュアルでフェティッシュなイメージとリラックスの間で揺れる。
ニットドレスも部分的にコーティングで張りを持たせることで構築的なフォルムを生み出す。一方でカットオフのスエットタンクトップを組み合わせたドレスやトレーナーのロングドレスは、ずるっとしたフォルムで描く飾らないイメージ。ミニマルだけれど、エッジが立ちすぎない。そんなバランスが今の気分を感じさせる。
(ロンドン=小笠原拓郎、若月美奈通信員、写真=catwalking.com)