18春夏ロンドンコレ 次の立ち位置探るロンドン

2017/09/19 04:30 更新


 【ロンドン=小笠原拓郎、若月美奈通信員】ニューヨークに続いて、18年春夏ロンドン・コレクションが始まった。ショーの数は例年通りだが、ここ数シーズン、立て続けに中堅ブランドがショーを取りやめたり、ブランドを閉鎖している。アクセサリー系ブランドのショーも減少した。

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 その代わりに、従来ならまだショーの枠をもらえない規模の新人のデビューが相次いている。これまで長年オフスケジュールで発表してきたブランドの公式スケジュール入りもある。主催者の積極的なアプローチにより外国ブランドも増え、ヴェルサスやMM6メゾン・マルジェラに続き、エンポリオ・アルマーニとトミー・フィルフィガーが参加する。

 ロンドン・コレクションは84年の発足から00年代までは新世代デザイナーの孵化装置の役割を果たし、25周年を迎えた09年以降、バーバリーをはじめとする著名ブランドがカムバックして、英国ブランドのショーケースとなった。

 それが今回は、よりインターナショナルでバラエティーに富んだコレクションとなっているという見方もできるが、世界的なデザイナーファッション不振の波に押されて、次なる立ち位置を模索している姿にも見える。ロンドンらしい自由でエモーショナルなコレクションを、どれだけのデザイナーが見せられるかが問われている。

(写真=catwalking.com)

 パム・ホッグが久しぶりに公式スケジュール入りして新作を見せた。80年代から音楽業界と密接な関係を持ち、一時は自らもデザイナー活動を休止してロックミュージシャンとして活動していたベテランとあって、会場にはニック・ケイブやプライマル・スクリームのボビー・ギレスビーも駆け付けた。

 新作は、シグネチャーのシャイニーなジャージーやレザー、シースルーストレッチをパッチワークしたキャットスーツやボディースーツ。今シーズンのタイトルは「イノセンス」とあって、フリルテープをいっぱいに飾ったチュールのタイトドレスやキャットスーツが加わる。もっとも、肌を大胆にすかせてハイヒールを合わせてロックに仕上げる。

 もう1つのキーアイテムは濡れたようにキラキラと光るベルテットコート。モデルがコートを脱ぐとトップレスといった演出で刺激する。決して広く売られる服ではない。しかしコアな顧客を持つ、強さがアピールされている。

パム・ホッグ


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