17-18秋冬NYコレ、フェミニン×ミリタリー・スポーツ

2017/03/13 06:30 更新


 17~18年秋冬ニューヨーク・コレクションをプレゼンテーションで見せたブランドは、フェミニンやロマンティックなテイストをベースとしながら、ミリタリーやスポーツのアイテムを加える傾向が広がった。

 フェミニンでありながら凛(りん)とした強さもある女性像を表現しようとするデザイナーが多い。

(杉本佳子通信員)

 「ケイト・スペード」は老舗の高級ロシア料理レストラン「ロシアンティールーム」でプレゼンテーションした。着想源は、ルイーズ・ブルックスやジョセフィン・ベイカーなど、1920年代に「ルールブレイカー」だった女性たち。花柄とフェミニンなディテールの多いコレクションに、配色とアイテムでワイルド感を加えた。

 花柄は黒地にプリントや刺繍で入れる。レース、フリル、ラッフル、スカラップ、ぺプラムも多い。そこにボマージャケット、ミリタリージャケット、ピージャケット、ジーンズを入れていく。レパードプリントとラメも多く登場した。

 バッグはチョコレートショートケーキ型、トラとサクランボと唇をスパンコールや刺繍で入れたハンドバッグがある。靴はスリッパのようなイージーにはける型を中心に、つま先に花の刺繍を入れた黒のパンプスも見せた。


ケイト・スペード


ケイト・スペード

 「Jクルー」は今回もリアルピープルを使ったプレゼンテーション。年齢は9歳から67歳まで。スポーツやミリタリーの要素を入れたカジュアルなアイテムと、パーティー気分の華やかなアイテムの組み合わせが目立つ。トップはラグビーシャツ、アーミーグリーンのクロップトジャケット、カムフラージュプリントシャツやジャケットが多い。

 合わせるボトムは、チュールをあしらったボリューム感のあるスカートだ。超ワイドレッグのパンツも多い。タータンチェックやケーブル編みのセーターといった、オーソドックスなカレッジアイテムも揃う。


Jクルー

 「ロジー・アスリン」は、伝統的な素材や柄をモダンにアレンジしてみせた。グレンチェックのパンツスーツは、打ち合わせにボタンの代わりにグログランテープを結び、パンツの裾にラッフルを飾る。モワレやタフタといったクラシックな素材が目立つが、モワレのパンツの裾の折り返しに黒のコットンを見せる。

 ケーブル編みのセーターは、編地が浮き上がった部分にキラキラ光るクリスタルを留めつけた。カラフルな花びらをオーガンディの中に閉じ込めてステッチで覆ったような生地のベアショルダーのドレスは、肩ひもに花や葉っぱのモチーフを飾り、華やかでキュートに仕上げた。


ロジー・アスリン

 「アダム・リップス」は、ゴージャスでリラックスしたコレクション。胸元を深いVにカットし大胆に縄編みを入れたバルキーセーター、花プリントのズワーブパンツなど、高級感がありながらイージーに着られるアイテムが揃う。モワレで仕立てたパンツスーツのインナーはセーター。ジャケットの袖口からは、ニットのラッフルをのぞかせた。


アダム・リップス

 「PH5」はジオメトリックなモチーフを手の込んだ編みの技術で入れていく。技術に凝りながら、楽しくポップに仕上げているのがこのブランドの良さだ。ニードルパンチで四角いモチーフをマルチカラーで入れたり、別色ニットのテープをループに通して四角いモチーフを描いたり。ジャカードで大きな円と四角のモチーフを並べたドレスとカーディガンもある。


PH5


(写真=ランディ・ブルック、ケイト・スペードとアダム・リップスは各社提供)



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