16年春夏婦人向け素材で、プリントが注目されている。服地コンバーター、捺染工場とも前シーズンを大幅に上回る着分見本の注文を受けている。レースやジャカードを取り込んだ深みのあるプリント表現が多く、婦人服のコーディネートに変化をもたらしつつある。
6月の素材展示会・京都スコープを前後にした先行素材商談で、久しぶりに「水彩タッチのアートモチーフや幾何のパネル柄」(大松)、「パネル柄のペーズリー」(外村)、「建築モチーフ」(協友)などのプリントに引き合いがあった。この結果、アパレルメーカーは9月展、10月展を前に、前年に増してプリントの見本着発注を行い、コンバーターは「久しぶりにプリントの手応えを得ている」(伊吹)。
15年春夏、15~16年秋冬は、レースやジャカードが先行していたが、16年春夏では一変している。若さやさわやかさを表現する上で、プリントを改めて強化するアパレルが相次ぎ、捺染工場は「7月は見本反生産に追われた」(大本染工)状況だった。