ユザワヤ商事 銀座など都心で出店を加速

2017/05/11 06:29 更新


 手芸用品・ホビー材料の専門店、ユザワヤ商事は、東京都内への出店を進めている。4月下旬には銀座に出店し、富裕層や余暇を楽しむ層、インバウンド(訪日外国人)客などにアプローチする。SNS(交流サイト)や物作り講習会を通じて、若い世代や手芸初心者の集客も強化している。

 銀座店は銀座5丁目の銀座コア6階に出店した。手芸関連の基本的なアイテムを多数揃えるほか、「リバティ」「マリメッコ」などのブランド生地や、フランス、イタリアの材料も充実する。インバウンド客は、モノを買うだけでなくコトのニーズもあるとし、外国人向けの講習会も検討する。「海外から見ても、日本の手芸は面白い文化なのでは」と見る。

 銀座への出店で、全国の店舗数は60になった。ここ数年、都内は御徒町や池袋、下北沢に出店してきた。「蒲田が創業の地であり、関東の主要な場所には店舗を構えたい」方針だ。売り上げ順調な池袋店は立地柄、コスプレ衣装用の材料を買いに来るお客も目立つという。

 ユザワヤ全体では、手作りブームも背景に売り上げは順調という。バッグなどが作れる、Tシャツなどの端切れをアップサイクルしたヤーン「ズパゲッティ」、アクセサリー作りに使うレジン、布用ボンド、コスプレ材料、ビーズなどが売れている。「ミンネ」などの人気ハンドメイドマーケットサイトの自社への影響は分からないが、アクセサリー関係の材料はずっと堅調という。

 客層は30~50代の女性が中心。店頭で開催している小物作りや編み物の無料講習会(材料費は別)を通じて、若いお客も増やしたい考えだ。初心者にはレジンの講習会などが人気という。じっくり時間をかけて作る物よりも、最近はより手軽に作れて見栄えも良い物が好まれる傾向にある。

 SNSでの情報発信にも力を入れている。16年12月に、コスプレファンに向けて「ユザワヤ衣装部」というツイッターアカウントを開設しフォロワーを増やしてきたのに加え、今年3月にはユザワヤ公式のアカウントをツイッター、フェイスブック、インスタグラムで開設。若い世代にも店の認知を広げる。


4月にオープンした「ユザワヤ」銀座店 



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