「ユイマ・ナカザト」のデザイナー、中里唯馬は5月から、「オンラインオーダーメイドプロジェクト」を始めた。オーダーメイドは本来、作り手と着用者が直接対話し、採寸などをしながら仕立てていくが、同プロジェクトでは物理的に対面することなく、世界で1着の服を作ることに挑戦する。
手順は、中里がオンラインで客と対話し、その後に客から白いシャツを1着預かる。中里は客と対話した内容をインスピレーションに、預かったシャツを使って新しい服に仕立て直し、2~3週間後に送り返す。送料は中里が全て負担する。
サービスは数量を限定し、無料で提供する。注文は公式オンラインストアの特設ページから。
中里は「(新型コロナウイルスの影響で)社会的距離を保たなければならない現在の状況は、人と人との間に精神的なつながりを築くことの大切さを気付かせてくれた」という。「対話を通じて服を作ることは非効率とも思える工程だが、人間的でプリミティブな営み。『作る』と『着る』が切り離された現代の衣服の在り方を見直し、サステイナブル(持続可能)で豊かな未来に向けた次の時代のヒントになると思う」と語った。