YKKが運営する「ものづくり館byYKK」(東京・秋葉原)は、多様なイベントで話題を作り、人を集めている=写真。3月末までの来館者数は予想を大幅に超えて4924人だった。16年度もペースは衰えない。4月から約3カ月で4000人近くを数え、年間目標8000人を上回りそうだ。
来館者の3割を占めるのはワークショップを利用する一般の人たち。同館は「一般生活者、特に子供や若い世代に日本の物作りの楽しさを伝える」という目的で、週1回ワークショップを開いている。企画は毎回異なる。要望がない限り同じ企画はやらないことが人を集めるポイントだ。同館の立花和彦グループ長は「最初はアイデアが枯れるかと思ったが、物作りを通じて企業や人とのネットワークが広がり、バリエーションが増えた」という。
好評だった企画の一つは、「ファスナーとビーズで作るブレスレット」。高級ファスナー「エクセラ」と4㍉のビーズを組み合わせてブレスレットを作った。情報発信はホームページが中心だが、「告知すると、どんどん定員が埋まっていく。リピーターも増えてきた」と手応えを感じている。8月6日に開く「コーヒー豆袋をリメイクしてレッスンバッグを作ろう」もすぐ定員が埋まった。
地域住民が開く物作りの教室や近隣のメーカーのイベントなどにも場所を提供している。「〝楽しい〟は物作りを好きになる入り口。楽しさを知る中で、ファスナーのことも知ってもらえたら」(立花グループ長)と、将来のYKKファン作りにもつなげる。